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『ヘリテージ・レコード ♪』 太陽の西にある店

ちょっと出掛けた。

用事を足したついでに、探してもらっているレコードは見つかったかなと、中古レコード店を覗く。
「ヘリテージ・レコード」
(こぢんまりとして、70年代にフォーカスした品揃えとその選曲センスが気に入った店だ)

ここのオーナーは、率直にヤル気が無い。
(誤解を招きそうだけれど、自己の利益追求にあくせくする商売人ではないという意味)

何時か、こっちの方が心配して、チラシ配るとか新聞に広告出すとかしたら?と言った。
(だって、もうこれ以上、この世からレコード店が消滅していくのは耐えられないからね)
「イヤ、私はここを好きになってくれた人が通ってくれるだけでいいから」という。

余計に気になってしまう。
それで先日、昔好きだった曲のリストを作って渡してあった。
見つかった物はみんな引き取るからと。

ところが、レコード盤は逆回転しないように、若い頃には、「さぁ連れて帰って」と、あんなに溢れていたレコード達は店頭から姿を消し、その消息は誰にも不明だ。

結局、今日引き取ったのは一枚だけ。
『国境の南、太陽の西』クロード・ウィリアムソン・トリオ

昔引っ越しの度に、「もうこれはいいかな」と思って処分したレコードを探して歩く。
過去を再構築するために未来を生きる。
って、どうなんですかね、我ながら不条理な人生です。

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