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「セックス喜劇 鼻血ブー」を初見。

「セックス喜劇 鼻血ブー」を初見。
珍作中の珍作…といってもDVDは売ってるし、配信もやってる。
71年の東映映画で併映が「暴力団再武装」。いやー、これが近所の東映館で普通にかかっていた時代だよ。
すさまじいタイトルだけれど、中身はそれほど過激でもない。

冒頭、いきなりのリアルな牛の種付けから小池朝雄のナレーション。そしてオープニングは「ピンク楽団」の大ハッスルwだ。トップレスにチョッキを羽織った女優たちがビッグバンド風の演奏をしてくれる。
成長著しい自動車販売業の競争が背景。昭和40年代だものね。
社員旅行の大宴会で、「がんばったご褒美はこれ」と各員に娼妓さんが配られるw。主人公の早田(左とん平)はその中でもご褒美がもらえない落ちこぼれ営業マン。しかも早漏が悩みだ。仕事は冴えないけれど、接待やら営業先やらいたるところで女性に可愛がられる。だが、いつも瞬間で終了してしまうので、「がっかりね」と見捨てられちゃう日々だ。
下ネタを手段にしているものの、ベースがサラリーマンコメディなんだよね。ライバル会社にいるやり手のセールスウーマン夏子さん(桑原幸子)に目の前のお客をさらわれたり、社長・部長・トップ営業の先輩らの様々な思惑が入り乱れるのが、なんとも普通に面白い。
途中でサラリーマン人生を離脱する早田が選んだのが、友人細井(小松政夫)とともに早漏防止のコンドーム開発研究。その塩梅を検証するための“治験”が素晴らしいな、もう。

左とん平はキャリア上、最初で最後の主演映画。ヒロイン桑原幸子はプレイガールレギュラー。お客さん役で欽ちゃんも出ている(けっこうすごい台詞言ってる)。

医学的検証に加え、不二ラテックスの工場ロケとかもあったりと、まじめに作ってるんだ。エッチだしくだらないし…いまだとピンクVシネみたいなお話なんだけど、これをちゃんと劇場番組にかけ、ちゃんとした俳優たちがまじめに演じるところのおおらかさに、ちょっと泣けてきた。しかも83分ですよ。文句を言う前に終わるw。
臭いものにフタをしている今の時代、たぶんこの映画が浮かばれることはそうそうないだろう。
我々は降伏する以外ないのだろうか。

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