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印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵――②個別の感想

全体の感想は他の記事で書いたので、ここでは好きな絵についてランキング形式で書いていこうと思います。美術に関しては素人なので、内容は浅いです。多分見当違いなことも書いていると思います。大学の教養科目でとった西洋美術史は1限だったので、起きられず落としました。(つまり、まともに講義を受けてもいない)美術展は肩肘張らずに楽しもうという姿勢で臨んでいます。


1位:オパール

何より色合いのバランスが好きで、一目で気に入りました。川の絶妙なピンクと水色、光の当たらない草木の深い緑色、女性の下半身を覆う布のピンクストライプ、裸の上半身の白さ、耳と乳首の赤み、髪のブラウン、光の当たる草木の鮮やかで明るい緑色。
美術館で見ると、日常といってもここからは遠い世界だ……きれい……とか思いましたが、部屋に飾ったミニフレームはまさに日常の延長線上、という雰囲気を醸し出しています。どちらにせよ、裸婦がくつろいでいるのにだらしなさや下品さを感じないところも好きです。

2位:ソリティアをする少女

ソリティアってアナログでできるんだ、とか、少女というには大人っぽすぎるような、とか、いろんな考えが浮かぶ絵です。
背景の衝立?は日本風だけど、白く輝くレースのドレス、蠟燭立て、トランプといったアイテムにメインの女性も西洋風なので、ぱっと見たときの「違和感」で目を奪われます。一目見た時の「これはなんだろう?」が、なんか心地よくて好きです。

3位:リンゴ園

リンゴの木に可憐な小さい花がついている、言ってしまえばよくある風景画といった絵ですが、いつまでも見ていたくなる魅力がありました。ごく単純に、ちょうど暖かくなってきた日に春先っぽい雰囲気の絵を見た、というタイミングの問題な気もしますが。
「リンゴ園」というタイトルが、鮮やかな赤いリンゴを思い起こさせます。そのストーリー性が好きなのかも。鮮やかな赤いリンゴってこう、すてきな未来、って感じがしますし。

あと……

このように印象派と類似しているにもかかわらず、グリーンウッドは印象派のレッテルを貼られることを拒み、様式的な分類にとらわれないことを好んだ。

「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」カタログ(図録)p142
 44 ジョセフ・H・グリーンウッド リンゴ園 解説文より

容赦なく印象派展にぶち込まれた上に、図録の裏表紙にも採用されています。

4位:雪どけ

理由はよく分からないんですが、水場が描かれている風景画って基本好きなんですよね。この絵はめちゃくちゃ水場として好きです。凍ってますけど。水場としては正直1位のオパールより好きです。河童かなにかか?って感想ですが、他にぴんとくる表現が見つけられず……。
さっきのリンゴ園といい、グリーンウッドさんはストーリー性を感じさせるいいタイトルをつけますね。お名前を覚えておこうと思います。

5位:ハーミット・クリーク・キャニオン

私は高所恐怖症なので、グランドキャニオンをこんなに優しく表現できるなんて……と驚いた絵です。私的には断崖絶壁って概ねギロチンとどっこいの存在ですが、こんなパステルカラーな世界があるんだなぁと……。これは、仮に現地に行っても、写真や動画で見ても、私には決して見ることの出来ない風景です。雄大で、包み込んでくれるような優しさを感じます。

特別枠:資料紹介①《睡蓮》の収蔵をめぐって、資料紹介②同時代美術の収集

美術館が作品をどのように購入していたのか、その交渉の過程が展示されていました。会社員をするようになって、こういうビジネス文書や金銭のやり取りとか、組織がどう動くのか、とかが非常に面白く思えるようになりました。手紙と手紙の間に何があったのか、空白を想像するのが楽しくて。

以上です。
わりに、私が気に入る絵と公式で推される絵は違うことが多いんですが、今回は結構一致してしまいました。なので個人のレポの面白みには欠ける内容になった気がしますが、まあ嘘を書いても仕方がないし。


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