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意識、宇宙、人生の目的とは 〜Sir Roger Penroseへの手紙〜



■解決したい謎

  1. 意識とは何か

  2. 宇宙の終わりと始まりとは何か

  3. 人生の目的とは何か

■謎を説明するための自説

意識とは

意識とは、意味空間(後述、広義のプラトン的世界)を発展させることで宇宙の秩序を高め、エントロピーを減少させるはたらき。エントロピーを増大させる自然(物質的世界と同義)と対等に対立し、宇宙のサイクルを永遠に回す。自己が持つ個人的な"意識"のイメージよりも幅広いもので、易経において世界を構成すると言われている陰と陽のように、自然と意識が対等な関係性で宇宙を成り立たせている。意識は、自己の意識と宇宙共通の意識で構成される。エントロピー増大の第二法則に反するものという、現世界では実在が認められていないものであるため、ダークエネルギーや時間の逆行など、現在の物理学者では想像上の概念とされているもと同じような位置づけ。量子力学での観測問題や量子もつれなど物理学では意識の存在を無視できないものであるものの、意識が何であるかがほとんど何も解明されていないため、このような全く新しい考え方には拒絶感を抱かせるかと思うが、ホログラフィック宇宙論のようなとんでもない発想が、意識に近づくためには必要だと考える。意識以外でエントロピーを減少させるものは、重力、ブラックホールの蒸発、(多くの可能性と重ね合わせ状態をひとつの現実にする意味で)波動関数の収束であり、これらは密接に関係している。その意味ではいわゆる”意識”という名称よりも、"宇宙意識"、"存在"、"重力"、"反自然"、"虚自然"という名称のほうが適しているかもしれない。

意味空間とは

意味空間とは、意味を表す座標(意味点と名付ける)と、意味点間の関係性を表す線(関係線と名付ける)で構成されるもの。宇宙においてひとつの宇宙意味空間(プラトン的世界)と、各人の脳内に物理的に存在する自己意味空間が、相互に作用して発展する。意味空間は情報のみで構成されるため質量と体積は存在せず、よって時間と空間、つまり時空も存在せず、重力も存在しない。宇宙意味空間が発展すると宇宙に秩序が生まれエントロピーは減少していく。

自己とは

自己とは、意味空間におけるひとつの座標(自己点と名付ける)のこと。自己点とそれに紐づく関係線で自己全体が表される。自己は他人や世間と交流し影響を与えて新たな意味点を創造し、関係線を増やしていく機能を持つ。脳内の自己意味空間が他人の自己意味空間と交流する際は、実態としてはあたかも共通の宇宙意味空間内において異なる自己点の間で交流しているように見える。関係線は意味点が参照されると増えていくが、無益な意味点に紐づく関係線は無視されて参照されないと消滅する。自己の死後も有益な意味点が参照され続ければ、影響は残り、関係線は増えていく。よって意味空間においては生きている自己点と死んでいる自己点は客観的に区別はつかない。自己点が異なると見える景色や考え方は変わるため、他人の意識は決して理解できない。他人の自己点に近づいて考えようとすると感情移入できる。

自由意志とは

自由意志とは、あらゆる可能性のなかから波動関数の収束によって、いま、ここ、に生起したエネルギーを、自己点から放出して意味空間を駆け巡ることで意味を認識し、意味点を創造し、関係線を増やすもの。エネルギーは意味空間を発展させる方向に流れるため、意味点がまばらな領域、遠方の領域、関係線がまばらな領域に流れやすい。何かをしたいと自由意志が考えているのではなく、自己意味空間を発展させるためにエネルギーを流すべき領域が選ばれ、そこを満たすことが欲と感じられている。欲は能動的ではなく受動的に与えられている。また波動関数の収束によって自己点からエネルギーが放出される時のみ非計算可能で確率論的だが、その後の進路は計算可能で決定論的である。したがって完全な自由意志は存在しない。自己が選んでいるのではなく、選ばされている。

人類の歴史とは

人類の歴史とは、自分の脳内に物理的に存在している自己意味空間に遺伝的に保存されている。先祖代々の経験が脳内回路に刻まれ、自己の経験も子孫に物理的に引き継がれていく。幼少期に全く記憶のないものが意識に立ち上がるのは物理的に引き継がれた前世の記憶。また人生において他者との交流を通じ自己の外部にも自己の歴史は引き継がれる。ただし他者にとって有益なもののみが引き継がれ、無益なものは忘れ去られる。

自己の存在意義とは

自己の存在意義とは、宇宙意味空間を発展させること。そのために宇宙共通の意識によって自己は生み出された。宇宙の意識にとっては意味空間を発展させることが目的であり、その手段として自己に意味空間を発展させ、その報酬として自己に幸福を与えている。自己の幸福のための手段として名声を得ようとしているのではない。宇宙意味空間の発展の貢献度合いに比例して自己には名声を与えられる。よって実態としては自己が幸福を追求して幸福になっているのではなく、宇宙の意識の目的である宇宙意味空間を発展させた自己に幸福が与えられる構図になっている。外部と交流せずに自己意味空間のみを発展させることでも自己満足にはなるが、閉じた世界では後世に残らず永続性はないため、自己満足も時限的で続かず、死の間際に後悔させられる。

宇宙の終わりとは

宇宙の終わりとは、全てがバラバラになり、エントロピーは無限大になり、全てのブラックホールは爆発し、全ての質量はゼロになり、重力はなくなり、全ては光速で動き、よって時間も空間もない、永遠の単調世界。時空のないことは、意味世界と同じ。永遠の単調世界は、秩序が生じる以前の原始の意味空間と同じ。その宇宙の終わり=原始の意味空間において、意識が、秩序を求め、エントロピーを低下させるために始動し、質量が生まれ、時空が生まれ、重力が生まれ、宇宙が始まる。それは意識が永遠の単調さに退屈し、始動したとも言える。こうして宇宙の終わりから宇宙の始まりに転じ、永遠の時間のサイクルが回りつづける。

意味空間と物質的世界の関係性とは

意味空間と物質的世界の関係性とは、ホログラフィック宇宙論における重力のない2次元曲面と、3次元時空の関係性と同義。意味空間と物質的世界は等価。意味空間と、ペンローズのプラトン的世界とホログラフィック宇宙論の2次元曲面は同じもの。意味空間には情報しか存在せず時空はなく局在性も関係ない。意味空間は共通の宇宙意味空間と脳内の自己意味空間が関係し、自己意味空間と物質的世界の脳が関係している。よって脳を通じて、重力のない2次元曲面と3次元時空は関係している。

人生の目的とは

人生の目的とは、世界を受け入れ、全てに感謝する、幸せな人になること。それは脳内の自己意味空間を発展させることであり、それによって幸福感を与えられる。幸福を得る方法を習得した自己意味空間を多くの人と共有し、多くの人を幸せにし、共通の意味空間を発展させる。それは宇宙意識から感謝される。人の本能として、幸福になりたい、名声を得て歴史に名を残したい、経済的に恵まれたいと考えるが、これは宇宙の意識のはたらきによって、宇宙意味空間を発展させることの報酬として、発展させることを幸福に感じる仕組みになっているから。よって幸福になるとは、意味空間から感謝されること。能動的に幸福を追求して実現するものではなく、受動的に幸福は与えられるもの。

幸せになる方法とは

幸せになる方法とは、真理を感じ、存在している奇跡を味わい、真心で世界を包み込み、いまここで感謝できることも含めた全てに感謝すること。それを共有して多くの人を幸せにする。自分が幸せになり多くの人を幸せにすることは、裏返せば宇宙意味空間を発展させる対価として幸福を与えられていることでもある。真理とは、独立した自己というものはなく、全てはひとつであること。世界を包みこむには、無理に真心を拡げず、ただ自己の壁をなくせばいい。全ては自分と一体であると悟れば、世界は愛おしくなり、どんな嫌な他人も覚悟をもって受け入れられる。また他人と比べず、自分が永遠に存在しなかった場合の世界、つまり無と比べることで自分の人生の価値は無限大になる。存在できていることの奇跡を実感すれば幸福感に包まれる。

幸福感とは

幸福感とは、自己意味空間が発展する時に感じられるもの。寿司を刺身、白飯、醤油、酢と別々に食べると苦痛でしかないが、同時に食べると幸福感を感じるのは、同時に食べたときの味覚信号が脳内を駆け巡る経路が構造的に強固であるから。音楽を楽器ごとに聞いたら苦痛でしかないが、同時に聞くと感激することも同様。また町中で見かける他人の顔には嫌悪感を抱くが、知り合いの顔には親近感を抱き、初めて聞く楽曲は抵抗感があるが聞き慣れると好きになるのは、自己にとって記憶しているものを繰り返し見たり聴いたりすることで脳内回路が強固になるため。よって幸福感を最大にするには世の中全てを心に取り込めばいい。そのためには全てを覚える必要はなく、単に自己の壁を無くせばいい。また、自己意味空間の発展を実感するには他人と比較せず、無と比較すれば、自己が存在している奇跡に気づき、また自己の存在価値も無限大に大きくなる。

© 2024 Makoto Sahashi

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