おせち料理1

おせちを手作りすること

おせちを手作りしますか?
今年もあと2日。例年、あれもこれもやらねばと思い、結局たいしたこともできない年末です。「おせち、どうする?」(=おせち、何を作る?)という会話を毎年女房と交わしている気がします。市販のおせちも出回っているし、おせちを手作りしている家庭はどれくらいいるのか。楽天が今年9月、全国の20代から60代の男女1000人に実施した調査によると、

61.2%がおせちを食べる予定があると回答。おせちをどのように用意しているか尋ねたところ、「購入したおせち料理と作るおせち料理を組み合わせる」(28.8%)が最も多く、次いで「購入せず、何品か手作りする」(25.0%)、「重箱入りおせち料理を購入」(20.1%)の順になりました。「購入せず、重箱に詰める料理すべてを手作りする」と回答したのは、わずか10.3%でした。(12/26 OTEKOMACHI より引用)

すべて手作りするのは1割ほどで、少数派です。ちょっと驚くのは「重箱入りおせち料理を購入」が20%もいるということ。決して安いと思えない重箱入りおせち。裕福な家庭が少なくないですね(笑)。

雑誌でのおせちの扱いは?
大昔、婦人誌の編集をやっていました。新年号は当然、正月特集で、おせち料理の記事を担当していました。当時(もう20年以上前)、料理を作るのは志の島忠、写真は佐伯義勝です。昔を知る関係者しかお分かりにならないでしょうが、お二人とも大御所でした。おせち料理は、(記憶が曖昧ですが)与の重までありました。記事を作るのにとても気を遣いました。
いま、婦人誌ではおせち料理はどのように扱われているのか。例えば老舗の「家庭画報」1月号ではいまの大御所、土井善晴を起用して「令和の新・お正月料理」という企画です。全19ページの内容ですが、前半は土井善晴が考えるいまのおせち料理で構成され、後半に土井レシピが紹介されています。「家庭画報」もかつては大々的におせち料理の記事を展開していたはずです。いまはあまり力をいれている感はなく、表紙にはいちばん下にタイトルが小さく書かれています。

お重のおせちは古い?
私は古い人間なので、おせちと言えばお重で、と思い込んでいます。手元にある古い料理本『日本料理特選』(学習研究社、1982年発行)にはおせちは与の重までのレシピが載っています。しかし、「きょうの料理」はお重のおせち料理を捨て去っています。テキストに「さあ、今年のお正月はどうしましょう?」と題されたQ&A形式のページがあり、ここに「この際、もうお重はやめて(中略)、大皿に盛るスタイルにしてはいかがでしょうか」とあります。
テレビ番組でもおせち料理は小田真紀子の「塩分&甘さひかえめ! 手づくりおせち」の1日だけです。その代わりに「おせちにもあるごちそう」で2日間やっています。テキストの表紙には大きく載っているのに、扱いは小さい(笑)。一方、「3分クッキング」では26日から5日間、ワタナベマキが定番のおせち料理を披露しています(ワタナベマキの本領はおせちでは発揮できないのでは、と要らぬ心配)。
おせち料理をどのように扱うか。テレビ、雑誌を作る人たちも迷っていることでしょう。

おせち料理2


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