見出し画像

人生音痴 アルバイトで教頭先生編

〜僕はこうして成功した。までいけるのか〜

「はい、先生がここに立ってから皆んなが静かになるまで5分かかりました」

「えぇか人の話はしっかりと最後まで聞くように」

『このコラム(授業)は、僕の半生を語るものです。人生は選択の連続です。方向音痴の僕はきっと、人生という名の道も大抵間違って歩いているのだろう。
時に信号を無視して、時に人に方向を尋ねたりして、あるいは道なき道をただ真っ直ぐに』

そんな僕の漂流記。
凸凹人生…言うなれば人生音痴

では、皆さんが最後まで読み進めて頂けますように、迷うことなく。

僕は現在バイトで教頭をしている。
それと同時に若手芸人である。
教頭先生といっても普通の学校ではなく、更生施設に勤めている。
全国から集められた指折りの不良たちの指導をしているのだ。

学校までの距離は約570Km、所要時間は2時間から3時間ほどで、移動手段は飛行機(ピーチ)だ。
実は大阪から千葉県まで通っているのだ。

バイトとしては割と遠い。

いや、

めっちゃくちゃ遠い。

非行少年の所まで飛行して行ってるのだから皮肉なもんだ。

『なんでこんなことになったんかなぁ…』

思い返してみるけれど全く心当たりがない。
不良の更生。
アルバイトで教頭先生。
聴き慣れない言葉である。
いつどう人生を間違えて⁇
あるいは、うまくことが運んでいるのか⁇

一旦自身の人生を振り返ってみよう。

子供の頃はちゃんとドラゴンボールも観てたし、ビックリマンも集めてた。(※お菓子も捨てずに食べていた)

ただ悪ガキではあった。
どれくらい悪いかを一言で表すと
小2でメタリカを聴いていた」
それぐらいの悪。

まだピンとこない人の為に説明を足すと
僕の知る中で僕より悪かったやつはフリーザ様くらいかな。
(※ドラゴンボールZ 27巻P61参照)
産まれは京都。
そう東京生まれhip-hop育ちの悪ではなく
京都生まれの和るなのだ。
(和る…ちょっとはんなりした悪戯っ子の意)

その京都ヤンキー時代から、今の教頭芸人になるまでの人生を簡単な目次にすると

⚪京都ヤンキー時代
⚪ニュージーランド羊飼い時代
⚪東京あほあほ帰国子女大学生時代
⚪ルーマニアニート時代
⚪カリスマ店員時代
⚪カリスマ店員時代 〜ハワイ編〜
⚪アラサーにして入学芸人時代
⚪更生施設の教頭芸人時代
⚪吉本新喜劇入団ナウ

といった流れになる。

今回はそんな僕の風変わりな人生を現在地から過去を話すという
スターウォーズ方式で話していこうと思う。

もちろんノンフィクションで。
ご覧のスポンサーの提供でお送り致します。

・お客様のいいねフォロー課金システム

では話を戻そう→そもそもなぜ教頭先生をすることになったのか?

動機はいってシンプル。

よく友達に
「俺、コンビニで働いてんねんけど、めっちゃ楽やで。一緒働く?」。
とか
「うちの居酒屋めっちゃ給料えぇねんか。入る??」。
て、言われることあるでしょ?

その感じ

俺、校長やねんけどさぁ、教頭する?

その一言で始まったのです。
僕がニュージーランドに住んでいる時(目次参照)の友達が、日本で現在更生施設の校長を勤めているのだ。

彼の名前はスティーブ・ジョブズ(仮名&日本人)
ニュージーランドで共に過ごした仲だ。

そんな彼と約10年ぶりの再会だった。

僕がスナックでのアルバイト中、お酒の飲み過ぎで血を吐いて、緊急病棟へ入院するはめになった。
アルバイト中、略してアル中
そこへジョブズが見舞いにきたのだ。
それはそれは感動的な再会、BGMで
エアロスミスが必要なほどに。
(余談だが、最近バイトで、船から船に飛び移って半月板を損傷して入院もした)

しかもその時、彼は偶然にもカリスマ店長時代(目次参照)に僕がデザインを手掛けた靴を履いていたのだ。

運命って本当にあるのかなぁ。
そんな風に思わされる瞬間だった。

そして、退院と同時に教頭先生となったのだ。

更生施設教頭先生の仕事って具体的にはどんなことだろう??
とみんな思うに違いない。

わかりやすく言えば、生活指導の先生かな。
絵的には、朝登校した時に、校門の前に立って上スーツ下ジャージ(80年代の流行り?)で、
「早せぇ!服装が乱れてるぞ!」
みたいなやつね。

『いやっ、お前や』
と思いながら校門を抜ける。
それが思う側から思われる側になった。
ということだ。

簡単にはそんな役割りかな。
(実際にはそんな格好はしないけれど)

特にマニュアルみたいなもんは無くて、要は少年院や鑑別所、イキって言うところの年少鑑べに行くような不良の指導だから、そもそもマニュアルなんてあったとしても通用しないのだ。

も両方いて、年齢は大体13歳〜20歳位が中心。

学校は寮制度になっていて、みんなで一緒に共同生活を行っている。そんな指折りの不良たちが全国から集まって一緒に生活するのだから、四六時中事件が起こる。

その日も不良たちが朝から事件を起こす。

朝飯のヤクルト2本パクられてる。
何回数えても足りない。その度に注意する

誰や奪ったん!!エェ!!次、ヤクルトの数合わへんかったら、お前ら30分正座して朝飯抜きじゃ!

と言っても…

当然誰も名乗り出ることなく

口々に

おい、誰だよ!とったの?!

などと言っている。

全員が言ってる。

いやっ、お前らの誰かやっ!

こういった事件が後をたたない。
で、僕らが最も頭を抱えさせられる事件が脱走だ。

だから、教頭の仕事NO.1脱走を追いかけること。防犯カメラを設置して、点呼を1時間ごとに行い、見回りをつけてはいるのだが、やはり刑務所のように牢屋に入れているわけではないので、脱走を完全に防ぐことは出来ない。

いやぁでもね、

もともと外にたむろして、コンビニの前に溜まって、全然家に帰らへんかったくせに、更生施設に入れられたとたん不良も家に帰りたなんねんなぁ。

先日、
僕が久しぶりに更生施設に訪れた時のことだ。

ちょうど暖房つけてたらオカンに
「あんた、そんなん暖房つけるくらいやったら上に服着ときなさい!」
と言われるような10月の末。

生徒たちが街に遊びに行きたいと言うのだ。

学校はかなり田舎に建てられていて(トラブルを減らすため)ゲームセンターやラウンドワンみたいな遊べるような場所はほとんど周りにない。
どうやら話を聞いてみると、もうすぐ31日ハロウィンやから、コスプレとかして街に出て、みんなではしゃぎたいらしい。

子供らしい提案

『うん、うん、なるほど、

そうか、そうか、気持ちはわかるぞ〜〜、

あかん!!

だって、お前ら悪いもん!』

優しく言いきかす。
愛をもって言いきかす。
ただ、やっぱり笑うってことが人にとって1番大切なわけで、そこから更生の一歩になると信じてる我々ですから、何とか他に楽しめる方法を考える。
そこで出た案が、ちょっと早いけど26日の日曜日にみんなで校庭内でバーベQでもしよう。で、先生も含めて全員コスプレもしようということになった。

最初はブツブツ文句を言っているような生徒も当日やってしまえば楽しむもんだ。

ただ

やっぱし、そんな中でも悪いことを考える生徒もいるわけで、今ならもれなくゾンビの格好をしてるわけやから逃げてもバレへん

誰が逃げたかわからへんやろう。。。
見つけにくいだろう。。。
って考え出したやつがいて

点呼をとったらゾンビが1匹足りひん…

みんな腐ってるから、ホンマにすぐには誰がおらんのかわからん。大人の御好意を無碍にする。そいつは心まで腐ってる。

いや、

でも逆に外に出てたら、めっちゃ目立つやん!

あほやん。

よしっ。とりあえず、すぐに探しにいくぞ!

ってことになって、みんなで逃げそうな所を探しに出た。でも、流石にそいつもそのまま駅とかに向かったら目立ち過ぎると考えたんやろう。

途中で隠れることにしたみたい。

そして、たまたまそいつが隠れた場所が

葬儀場

なんでよりによってそんな所に隠れたのか。

そして、その晩
葬儀場の見回りをしていたおっさんがゾンビを発見。

「ギャーーー!!!

ゾーーーンビっ

出たーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!

時期も26日やし、マジでびびったやろう。誰か生き返ったんかな??みたいに。

で、見つかったゾンビ側も見つかってことにびっくりして悲鳴をあげる!

「ギャーーー!!!

あ''〜〜〜〜!!!!!」

それを聞いてるおっさんからしたら、
もう雄叫びにしか聞こえへん。

おっさんは更に驚く!!?

驚いたゾンビが慌てて逃げる!

めちゃくちゃ速い!!

ゾンビは遅いと思ってるおっさんは

更に驚く!!!??

ゾンビの唯一の弱点は遅いみたいなとこあるからね。で、ゾンビが襲ってくるでもなく逃げていった後、
すぐにそのおっさんが

警察に電話。

ゾンビが出ました!!

「…落ち着いて下さい」

最初は悪戯電話だと思われただろう。

とりあえず、コトの説明を受け警察は現場に向かった。

時を同じくして僕たちもちょうど現場に着いた。
警察が現場に着くと大量のゾンビが現れた。
完全にバイオハザードのオープニングにしか見えないだろう。

で、無事脱走したゾンビを確保。

そして責任者ゾンビと逃げたゾンビがパトカーに乗せられ事情聴取。

野次馬も集まってきていたのでゾンビは撤収。

後に語られるコトだろう。

ここは大量の不良と大量のゾンビが出る街と。

学校へと戻り、
チャイムの鳴る前に教頭先生らしく1つだけ。

「大人になって昔を振り返ると過去を変えられるということに気がつく。
科学的に見ればタイムマシンなんかがない限り過去を変えることは出来ない。

でも、笑って過ごすことが増えれば、過去に対する見解、解釈が変わる。

あんなに嫌だった思い出も、あれがあったからだ。と感謝できるようになる。

影を消そうと躍起になっても影は消えない。

を消す方法はを当てること。

現在に光を当てれば過去は変わる。

だから笑顔で生きること。

笑うことがタイムマシン

さあ

『この失言を消せるように、本当のタイムマシンが完成することを願ってます』

「はい、今日の授業はここまで。
では、また次の授業で会いましょう」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?