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「じぶんたちのミュージックビデオをつくろう!」ワークショップ報告

2023年1月、東京都世田谷区のHIRAYA GOTOKUJIでコンビビの映像探求学習ワークショップを開催しました。



今回集まったのは、知り合いの高学年の子どもたち3名。女子2名+男子1名。もともと知った仲だということもあって、緊張感も無く、むしろ緊張感がなさ過ぎることもあって、最初は場を整える「突然ストーリー」というアイスブレイクのワークショップからスタート。

・アイスブレイクから
「突然ストーリー」は、それぞれの人がストーリーをしゃべってつないでいくというものですが、終わりは「すると突然…」で終わらなくてはいけません。次にしゃべる人は「すると突然…」に続くストーリーを考えて展開していき、やはり最後は「すると突然…」で終わらなくてはいけません。それを続けていくことで、とんでもない物語が展開していきます。
このアイスブレイクは、突飛なストーリー展開が面白いので場が和むという意味もありますが、どんな突飛なストーリーでもしゃべっていい、どんな思いつきもしゃべりやすい場をつくるという効果があったりします。この後に続く言葉の創作につなげていくために、めいっぱいヘンなストーリーで楽しんだあと、今日のお題、「じぶんたちのミュージックビデオをつくる」の進行を説明します。

・リリックをつくる
今回は時間の制限もあったため、つくる楽曲のタイトルを3つ用意して、子どもたちに選んでもらうことにしました。曲名案は以下の3つ。

 ① おとなにいいたいこと
 ② こどもはほんとは
 ③ もしわたしが○○だったら

子どもたちの選択は①。満場一致でした。小学校高学年、よっぽど言いたいことがあるのでしょう。ということで「おとなに言いたいこと」をテーマにした楽曲をつくることに。
まずはそれぞれ自分がおとなに言いたいことを、紙に向かって書く時間。10分もしないうちにたくさんの「言いたいこと」が出てきます。書いたものをそれぞれが口に出してシェア。「それな!」「ほんとそれ!」と子どもたちはやけに盛り上がっています。
「言ってることとやってることが矛盾してる」、「勝手にルールをつくる」「子どもの気持ちがわかってない」「他人が家に来るとやさしくなる」などなど、ファシリをしつつ耳が痛いおとなです。

おとなに言いたいこと


続いてシェアした「言いたいこと」から、共通しているもの、強く言いたいものを選び、歌詞にしていく作業です。今回は5・7・5のリズムに落としていくことにしました。時間がたっぷりある場合は、語数を決めずにゆっくり詩にしていくプロセスをつくっていきますが、今回はギュっと圧縮するため、俳句や短歌の授業を経ているしなじみのある言葉のリズムだからということで5・7・5にまとめました。また、子どもたちはラップ(ヒップホップ)にも馴染んでいることから、歌詞のことをリリックと言うこと、リリックにはヴァース(Aメロ、Bメロ)とフック(サビ)があることを説明し、決めのフックを考えてもらいます。

・唄にして歌う
だいたいリリックがかたまったら、唄う練習。身体に馴染むまで何度も唄います(ラップします)。
音源はiPadのGarageBandを使用しました。参加していた子のひとりがGarageBandを使えたということもありますが、今回は音源制作は時間を取らずに、GarageBandに入っている音を使った最低限の音源を使ってラップをのせていきました。曲が完成するまでにだいたい2.5時間。かなりギュッと進行しましたが、子どもたちは楽しそう。

・映像撮影
昼食を挟んで続きは映像撮影。まずはどういうMVにするかの検討会議。
ワークショップを行った会場であるHIRAYA GOTOKUJIに、布や椅子、小道具などがいろいろあったので、それらを使って一発撮りで撮影することに決定。リハをしたり、動きをどう入れるかを、カメラを覗きながら試行錯誤する子どもたち。ふだんYouTubeなど動画をたくさん見ていることもあって、どんな映像にするかのイメージがかなり豊富なことにあらためてびっくりさせられます。そして撮影を完了すると最後の編集です。
公立小学校に通っている男子は、授業で動画編集ソフトを授業でいじっていたこともあって、テロップや切り抜きなどもお手のもので編集をサクサク片付けていきます。そして完成!

今回は3.5時間という短尺で詩作から音入れ、映像づくりまでをギュッとつめたワークショップとしましたが、時間をもっと使える場合は、詩作、音づくり、映像化の部分も含めて掘り下げてつくっていきます。最初にできた映像作品もプロトタイプとして、いろいろな人に見せてフィードバックをもらい、アップデートしていく。
映像作品をつくるまでに、対話を通じて他者からの視点を取り入れること、自分の意見をかたちづくること、試行錯誤や修正作業の大事さと面白さなど、いろいろなポイントがつまった時間になりました。

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