『ウチの娘は、彼氏ができない!』7話まで
あー、もっと早くおすすめすればよかった。私のお友達には「半分、青い」が好きだった人も多いのに。「半青」の北川悦吏子が脚本を書いている「ウチの娘は、彼氏ができない!!」が最高です。てか、何でこんなタイトルなんだろう? このタイトルで視聴者200万人くらい逃してると思うんだけどw
「私たちはこの世界を生き抜く相棒だ」という碧(菅野美穂)と空(浜辺美波)の母子関係がまっすぐに伝わってきて初回から軽く泣いてたんですけど、実はその母子に血のつながりはなかった。娘がそのことに気づいたのが前々回。
どういうことか聞かれた母親は「死のうとして樹海に行ったら赤ちゃんだった君が泣いていた」と言う。私が君を拾ったのではなく、君が私の命を救ってくれたのだと。
「でも、私ってつまり捨てられてたんだよね」と友だちに愚痴ると、友だちは「それは違うよ!」と明るい顔でペーパーナフキンに竹から生まれた女の子の絵を描く。
「かぐや姫みたいに、空から降りてきた天使だったんだよ。ラッキーなお母さんが天使を見つけたの」
号泣~~!
この友だちを演じてるのが元クッキングまいんちゃんこと福原遥ちゃんなんだけど、当初はGPSで彼氏の居場所を逐次チェックしてる情緒不安定のストーカー女子だったんだよね。
まさか彼女が、こんなにあたたかく逞しく包み込んでくれるとは~
‥‥とひとしきり泣いてたら、
なんと、この樹海エピソードは、菅野美穂母ちゃんがついた嘘だと判明w
ありえんw
しかも、「どうしても母ちゃんが死のうとする姿を想像できない。ゴキブリのように生命力の塊のはずだ」と娘は看破するのである。娘に「生命力の塊」と思われてるって、すごい子育てじゃないだろうか?(号泣)
で、ほんとは菅野美穂母ちゃんを捨てた男の別の女が、心臓病の体をなげうつように産んだのが娘の空ちゃんなのだった。別の女とは何とお久しぶりに見る矢田亜希子で、彼女もやっぱり男に捨てられていて、そのクズ男は豊川悦司!
説得力!!!
・年を重ねて肉がついたり皴が増えたりすること
・気づいたらオワコンになっちゃってること
・不景気
・才能が足りない
・気づいたらずっと恋してない
・陰キャでオタク
・人に言ったら笑われるようなことへのこだわり
・「イケてる奴」を演じる自分
・亡くなる人を見送ること
・そして、人生に何度かやってくる とびきりの修羅場
生きてると避けられない世の中の厳しさ、人生の苦しみ
そういうものをきちんと厳しく苦しく描いて
そのうえで、
人はみんなあたたかく
愛にあふれていて
だからどっこい生きていけるんだと
そんな、北川悦吏子の世界観に打たれる。
'90年代に大ヒットドラマをいくつも書き、そのあとは変わりゆく時代に取り残されたような時期もあり、難病も患った彼女。
いろんなことがあっただろうに、今も少しの疑いもなく、人を信じているんだなあ、人が好きなんだなあと思う。
「半分、青い」でも鈴愛とユーコの関係がかけがえないものとして描かれたけど、今作でも浜辺美波と福原遥、また菅野美穂と矢田亜希子の友情がすごくいい。
かと思えば、浜辺美波ちゃんは大学のゼミでパリピ女子と取っ組み合いのケンカをしたりする。
「半青」でも鈴愛とユーコが飛び蹴りまで繰り出す乱闘があったw
女子だって泣いたり怒ったりしていいんだよ。人間だから喜怒哀楽すべての感情があって、それを表していいんだよ。
もちろん、菅野美穂と浜辺美波の関係もいい。よくいる母娘のようでもあり、唯一無二にも見える。すべての母娘関係が、いやすべての人間関係がそうなんだと思う。
そんで、岡田健史が演じる入野光がやばい!!!
私はねえ、
入野が出てくるたびに悶えてるし、
夜中の1時にTwitterひらいて
唐突に入野のことつぶやくくらいには
沼に落ちているんですよ!(キレ気味)
不器用で、ナイーブで、優しい男子。
先週気づいたの。
律だ、って。
律と同じなんだ。
ほんと、律が好きだった人に入野光も見てほしい人生だった!!!
たぶんあと3回くらいしかないけどよかったら!!!
着てる服も全部かわいいから!!!
入野のほかも、北川さんが書く男性たちはみんな優しいんだよね。
マッチョさと無縁。
テレビの世界もまた男性優位社会のひとつで、そんな業界で何十年も仕事してきてるのに、こんなふうにあたたかくて優しくてちょっと弱い男性たちを描けるなんて、愛だ。
北川さんの脚本はpoetryにあふれている。
詩的である、って、今の社会がすごく必要としてるものだと思うのだ。
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