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大ヒットの裏には、兄の葛藤と優しさがあった。

2020/12/13 映画記録no.17「キセキ ーあの日のソビトー」

キセキ。
きっと誰もが知っている曲だと思います。
当時は、この曲ばかりがテレビで流れていたし、
なんならお店で流れているのも、ほとんどこの曲だった気がします。

本当に、すごい勢いでGReeeeNは有名になりました。
顔を出さない、分かっているのは4人組の男性グループで、
メンバーみんなが歯科医の研修生。

シルエットだけが見えているGReeeeNというアーティストは、
当時からしても、異色の存在だったと今も思います。

そのGReeeeNにスポットライトを当てた、この映画。
GReeeeNというグループ生まれ、名曲が作り上げられるまでの過程が描かれています。
のちに詳しく書いていきますが、
映画を観る前は、GReeeeNのボーカル・リーダー的な立ち位置にいる
菅田くんを中心に物語が進んでいくんだろう、と勝手に思っていました。
でも、違いました。
主人公は、菅田くんの兄を演じた、松坂桃李くん。

弟を羨む苦しい葛藤と、頼もしすぎる優しさが、
本当に見ていて涙が出てきました。
兄の苦しみが、しっかりと描かれているんです。

あの有名な曲の中には、そんなストーリがあったなんて知らなかった。
見てよかった。
今日は、この映画についてまとめていきます。


作品について。

2017年1月28日に公開された日本映画。
松坂桃李と菅田将暉のダブル主演。

ふふふ、私と源さんの誕生日じゃないか!!!
(すみません、どうでもいいですね。言いたかったんです。笑)

GReeeeNの楽曲「キセキ」の誕生までの実話がもとになっている。
GReeeeNの曲名にもあるように、
道を重視した今作品の監督を務めた兼重淳は、ロケ地選びにもこだわり、「アップダウンのある画」のために、
坂の多い東京都日野市をメインロケ地として選んだ。

実績。

全国157スクリーンで公開され、
2017年1月28日と翌29日の初日2日間で観客動員数18万2,044人、
興行収入2億3,286万4,600円。
初日満足度ランキングでは、
満足度92.9ポイントを獲得し第1位となっている。
公開2週目の週末となる2017年2月4日と翌5日の2日間で、
観客動員数13万9,751人、興行収入1億7,859万4,700円となり、
累計興収は6億円を突破した。
公開から20日目となる2017年2月16日時点の累計で、
観客動員数が80万2,718人、興行収入が10億1,053万0,700円に到達し、
いずれも2017年公開の邦画実写作品トップで、
さらに10億円の大台一番乗りを果たした。

音楽。

主題歌:「ソビト」
歌・作詞・作曲 - GReeeeN


挿入歌:
①「UNCHAINED」
歌 - 松坂桃李 / 作詞 - JIN・大村真司 / 作曲 - JIN・PABLO
②「the way」
歌 - 松坂桃李 / 作詞 - JIN / 作曲 - JIN・R_Men_Soul
③「声」
歌 - 菅田将暉・横浜流星・成田凌・杉野遥亮
作詞・作曲 - GReeeeN



④「道」
歌 - 菅田将暉・横浜流星・成田凌・杉野遥亮
 作詞・作曲 - HIDE


⑤「キセキ」
歌 - 菅田将暉・横浜流星・成田凌・杉野遥亮
作詞・作曲 - GReeeeN


グリーンボーイズ。

グリーンボーイズとは劇中でGReeeeNのメンバー役を演じた、
菅田将暉、横浜流星、成田凌、杉野遥亮の4人によって、
結成されたユニットで、
ユニット名はGReeeeNの前身となるグループの名前である。
4人はこの名義で、
GReeeeNの10年前のデビュー日と同日である
2017年1月24日にCDデビューも果たし、
同年1月20日にはテレビ朝日系列の音楽番組
『ミュージックステーション2時間SP』への出演も果たした。

●メンバー
菅田将暉
横浜流星
成田凌
杉野遥亮

出演者。

松坂桃李
菅田将暉
忽那汐里
平祐奈
横浜流星
成田凌
杉野遥亮
早織
奥野瑛太
野間口徹
麻生祐未
小林薫                     など。

GReeeeNからのメッセージ。(公式HPから)

映画のお話があってから、すぐ主題歌は「ソビト」が良いと決めてました。10年以上も前に作った大切な曲、
ずっと世の中に出すタイミングを見計らってましたが、
今がまさにその時だと思いました。
あの頃の想いを今の感覚で生まれ変わらせ
アレンジやレコーディングをさせて頂きました。
僕達にとって
11年目となる新たなスタートに繋がる素敵な曲が出来たと思っています。
映画『キセキ-あの日のソビト-』にある、
仲間との葛藤も、日常にある大事な人との愛情も、
全てがこの曲にあるように思います。
全ての大事な人へ、
皆様の心に残るような曲になっていける事を願ってます。
 by GReeeeN


この映画を見て、思ったこと。

最初の方にも書きましたが、この作品の主人公は、兄です。
桃李くん演じる兄は、
もともと音楽の道を目指し、
バンドのボーカルとして、CDデビューを果たすんです。

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でも、デビューしたはいいものの、
ニーズに合うような楽曲を中々世に出すことができない。
マネージャーさんが呆れて、
メンバーとも上手くいかなくなって、
夢を諦めないといけない状況に陥ります。

そんな中、弟は医学部を諦め、歯科大に入学。
そしてなんとギターを手に、音楽を始めるんですよね。
同級生と河川敷で、隣に座って。

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そして、弟が作った楽曲に音を入れることになった兄。
その曲を聴いた瞬間、才能に気づいたんでしょうね。
自分のマネージャーに、
「弟が作ったデモCDを聴いてください」と頭を下げます。

ここの、桃李くんの顔と言ったら、もう。
夢を諦める決意、弟の才能に気づいてしまった羨ましさ、
そして、楽曲作りを手伝うことにした優しさ、
苦しい中で、裏側に回って弟を支えることを決意した、
そのなんとも言えない感情が、ひしひしと伝わってくるんですよね。

その顔を見て、私は一緒に苦しくなって、泣いちゃいました。

そして、レコーディングが始まります。

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でも、なんと、
録音室は、兄が住んでいるマンションのクローゼット。笑

狭い空間にマイクを置いて、扉を閉めて、
たくさんの洋服に囲まれて、1人1人入って録音していくんです。
ここで?!って驚きましたが、
こうやってあの有名な楽曲が生まれたのか、と思うと、
なんか感慨深い気持ちになりました。


デビューの話が上がりますが、大きな壁があったんですね。
医師である父親の存在です。
兄が音楽をしている時も、
「人間好きなことばかりしていると、馬鹿になる」などと、
反対の姿勢を貫いていたので、
弟まで音楽を始めた、なんて許してくれるはずもありません。

だから、父親にバレないように顔を出さなかったそうです。
そして、メンバー全員が歯医者を目指す学生だったということで、
「歯」のような、ロゴに。
そうやって、あの有名なGReeeeNのロゴが生まれた、と。
四人組だから、eが四つ。

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このロゴの意味が分かると、確かに!歯だ!と腑に落ちましたね。笑


刺さった、兄のセリフ。

本編の中で、桃李くんが語ったセリフがすごく刺さったんです。
これは、バンドメンバーだった人の職場へ出向き、
今までのこと、弟のこと、
全てのことについての素直な思いを吐き出す、そんなシーンでした。

人にはそれぞれ自分本来の役割がある。
やりたいことのために必死こいて頑張るとか、
いろんなものを犠牲にするとかさ、
そういうのとは違う次元で、世の中動いているのかもしれないな。

自分は、音楽の才能に恵まれなかった。
そして本物の才能に出会ってしまった、それも実の弟。
苦しみ、葛藤、妬み、いろんな感情が込められている気がします。


GReeeeNが作る楽曲って、すごくストレートですよね。
歌詞がまっすぐ伝わってきて、
軽やかな曲調の中に、強さが込められていて、
聴いていると、不思議とだんだん元気になる曲が多い気がします。

キセキや、道など、
私の学生時代を鮮やかに彩ってくれた思い出のある曲がたくさんあります。
そして、大人になった今も、よく聞きます。
当時の思い出が蘇るし、
少し落ち込んだ時もGReeeeNの曲を聴くと、少しだけ前を向ける。

きっとそれは私だけじゃなくて、
多くの人の心に刺さったからこそ、
今もずっと、愛されているグループなのだと思います。
そして、これからもずっと。

最近では、朝ドラ「エール」の主題歌にもなっていましたね。

ご本人たちは歯医者さんになって、
お仕事と並行して、音楽活動をしているということですが、
これからもみんなの心に刺さる優しくて強い曲を作って欲しいな、
と思っています。


この映画は、本当に見てよかった。
人生何があるか分からないし、
自分がどういう才能を持っているかも分からないけど、
きっと好きなことの延長に、何かがあるんだろうな。

今はまだ見えないけど、いつか私にも。
って、前向きになれる、そんな映画でした。

見たことないという方は、ぜひ。きっと、元気になります。


おりょう☺︎



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