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2020/12/10 ドラマ記録no.17「IS 〜男でも女でもない性〜」

原作は漫画で、ドラマ版が放送されたのは今から9年前、2011年です。
多分、テレ東だったから知らない人が多いんじゃないかな。
でも、当時15歳だった私にとって結構衝撃的な内容でした。
今は、いろんな経験をして、いろんな事を学んで、
この世界には色んな人がいる事を知っているけど、
当時は何も知らなかった。
だからこそ、私の知らない場所でこういう人たちがたくさん生きてるのか、と幼いながら思った事を今でも覚えています。

今日は、このドラマについてまとめていきます。


作品について。(Wikipediaより)

『IS 〜男でも女でもない性〜』は、六花チヨによる日本の漫画作品。
単行本は全17巻。2007年、第31回講談社漫画賞少女漫画部門受賞。
2011年にはテレビドラマ化もされた。
タイトルにもある「IS」とは
「インターセクシュアル (intersexual) 」の略である。
「半陰陽」とも言い、遺伝子、染色体、
生殖器(性腺、内性器、外性器)などの一部または全てが非典型的であり、身体的な性別を男性や女性として単純には分類できない状態を指す。
本作はそういった身体的特徴を持つ人々を主人公に据え、
彼(彼女)らの心の動きや、その周囲を取り巻く環境を描いた作品である。

もう少し詳しく。

インターセクシャル(インターセックス)の略称。
性器、卵巣・精巣といった性腺、染色体等が男性型・女性型のどちらかに
統一されていないか、または判別しにくい等の状態。
古くは半陰陽、両性具有などとも呼ばれました。
ただ、「IS」「インターセックス」含め、
これらの呼称は適切でないとする見解もあり、
近年、医療分野では、こうした先天的疾患の総称として
「性分化疾患」を用いるようになりました。
性分化疾患には先天性副腎皮質過形成症、クラインフェルター症候群、
ターナー症候群等さまざまな疾患があり、
その症状も個人によってまったく異なります。
時には、結婚してから不妊で悩み、
検査して初めて気づくようなケースもあります。
また、その性自認も、男性寄りだったり、女性寄りだったり、
中間だったり、
あるいは男性寄りと女性寄りが時期によって変遷(「ゆらぎ」)したりと、一様ではありません。
性同一性障害は、身体的な性別がはっきりし、
身体と自認する性が逆になるものであり、性分化疾患とは別のものです。


ドラマ版

テレビ東京系列で2011年7月から毎週月曜日に放送された
日本のテレビドラマ。主演は福田沙紀と剛力彩芽。
キャッチコピーは「人はひとりひとり、違っていいんだ。」
第1話:親が子供の性別を決定する!?究極の選択 
第2話:美少女…偽りの微笑 
第3話:私の居場所なんてどこにもない。 
第4話:作られたお姫様
第5話:禁断の恋にゆれる… 
第6話:手紙…暴かれた秘密
第7話:男でも女でもない性“カミングアウト” 
第8話:男でも女でもない性たった一人の味方… 
第9話:男でも女でもない性大切な友達だから…
最終話:自分が自分である証

主人公・春(福田沙紀)

高校1年生。性別の判断が困難な「IS」として生まれる。
戸籍上は「女」であるが、心は「男」として育ち、
中学までは「男子」として人生を送る。
サッカーが好きで中学生まではサッカー部に所属。
パティシエを目指し、
白咲高等学校を志望するが「男子」としての入学は認めてもらえず、
止むを得ず「女子」として入学。
入学式早々、美和子と友達になる。
中学後半から体の「女性化」が進み始め高校入学式当日に生理を迎え、
肉体的変化に戸惑う。
2年生の伊吹と意気投合し、サッカーの試合にいくなど交流を始めるが、
接するうちに「女子」の感情が芽生えていく。
ISのゆらぎが始まり、さらに戸惑う。


少しだけ、お勉強を。

私は、性的マイノリティについて、あまり知識がありません。
だから少しだけここでお勉強をしたいと思います。

調べてみると、福岡市のホームページでこんなものを見つけました。
まさか、こうやってまとめられてるなんて知らなかった。

性的マイノリティとは、
・同性が好きな人
・自分の性に違和感を覚える人
・性同一性障害
などの人々のこと
「セクシュアルマイノリティ」、「性的少数者」ともいう。
「異性を愛するのが普通だ」とか、
「心と体の性別が異なることなどない、性別は男と女だけである」
としている人からみて少数者という意味です。
最近では、以下の表の頭文字をとって、「LGBT」とも呼ばれています。
L(レズビアン) 女性の同性愛者
G(ゲイ) 男性の同性愛者
B(バイセクシュアル) 両性愛者
T(トランスジェンダー)
生れたときの法的・社会的性別とは違う性別で生きる人、生きたいと望む人

他にも
・アセクシュアル(無性愛者)、
・クエスチョニング(性自認や性的指向が明確でなく揺れ動いている人)
など,様々な人がいます。
これらは,個人の趣味や一過性のものではなく,
本人の意思で変えられるものではありません。

各種調査によると,
性的マイノリティは、日本の人口の約9%とも言われているそうです。

日本の人口が1億2500万人として、
その約9%だとすると、単純計算で11,250,000。
1000万人以上が、性的マイノリティになるということですね。

正直、そんなたくさんいるなんて驚きました。
私の周りにはいない。
いや、いないと思っているだけでカミングアウトしてないだけかも。
もしかしたら、もっと身近にいるのかな、と思うと、
自分の言動を、しっかりと見つめ直さないといけない気がします。


ある団体が平成28・29年度にかけて、学生に向けて、
「多様な性と生活についてのアンケート調査」を行ったそうです。
その結果、今の高校生たちが多様な性のあり方について、
大人が思っている以上に、柔軟に捉えているということが分かったと。

これからの社会を作っていく若い世代が、
そのような前向きな意識を持っているってことは、
未来にとっても、すごく頼もしくて心強いと感じました。
でも、今の社会を支えている大人世代は、きっとそうじゃない。
「女性は結婚して、子供を産むもの」
「男性は働いて、出世して、家庭を守るもの」
そういう固定概念が、しっかりと根っこに染み付いていると思います。

そうじゃない。
まず、今を作る大人がその考え方を払拭すべきかと。
そういう大人たちがいる限り、何も変わらない。
前向きな若者が社会に出て活躍する時に、
自分自身の多様な性に対する意識と
社会全体が持つ多様な性に対する意識との差によるギャップで、
生きづらさや困難を抱える可能性があるんじゃないかな。
そういう世界にしないために、
まずは大人たちがいかに理解を深めることができるか、
これにかかっていると思います。

子供は、もう分かっている。
分かっていないのは、大人だけ、ということですね。


ドラマを通して思ったこと。

純粋に、主演の福田沙紀さんの演技が素晴らしいんです。
福田さん自身は女性だけど、
役柄では、男でもない女でもないアイエスという性別の持ち主。

男の子に見える時もあるし、女の子に見える時もある。
でも、男でも女でもない。
まずここの根本的なものが間違っているんですよね。

私たちは、基本男か女かという線引きをすることが多いけど、
それ以外にも色々な性別を持った人がたくさんいる。
今となってはLBGTという言葉は周知されていますが、
このドラマが放送された2011年は、
まだまだその考え方はなかった時代だと思います。

このようなマイノリティに関するドラマを放送したテレ東は、
すごく頼もしいと思いました。
確かに視聴率は、そこまで良かったとも思えないし、
あまり注目されるようなものではなかったけど、
でも、私はこのドラマを見て価値観がガラッと変わりました。


性的マイノリティすべての人が、
LGBTに綺麗に当てはまるということでは、決してないと思います。
でも、これは性的マイノリティに限った話ではないかもな、
とも思ったんです。

「女性だから」「男性だから」「母親だから」「父親だから」など、
世の中には、見えない鎖のような言葉がたくさんあります。

これが普通、
これが当たり前、
そういう思い込みって、多分「呪い」みたいなもので、
そうか、女性だからこうしなくちゃ、とか、
そうか、男性だからこうあるべきなのか、とか、
そういう制約、縛り、みたいなものが無意識に生まれると思うんです。

こんなどうでもいい「呪い」なんてポイっと投げて、
誰もが自分らしく生きること、
そして、その人の存在をしっかりと認めること、
知らないことを知ろうとする姿勢、
そうやって他人を尊重し合うようになったら、
もっともっとみんなが生きやすい世の中に繋がっていくんじゃないかな、
と思います。


だんだんと理解が深まってきた今だからこそ、
こういうマイノリティに関するドラマがまた放送されればいいな。

再放送でもいいし、新しいドラマでもいいけど、
社会派がテーマになったものは、
世の中の認識を少しだけ変える、そんな力を持っていると思います。


おりょう☺︎


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