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CSを極める

コンタクトセンター管理者向け問題解決養成塾であるSV研究会は、2013年8月に立ち上げ、8年が経ちました。あっという間の8年ですが、ここまで来るのにも、色々苦労がありました。

サポーター企業は、今でこそ10社がSV研究会の運営に協力してくれるようになりましたが、最初はジョンソンエンドジョンソンさんだけでした。しかし、その後、リクルートさん、三井住友海上火災保険さん(現在は、ジャパンアシストインター
ナショナルさん)、東京ガスカスタマーサポートさん、大和証券さん、プラスさん、ファンケルさん、ベルトラさん、旅工房さん、オルビスさんと支えて頂ける企業も徐々に増えてきました。

なんとも有難い限りです。

これもネットワークを少しずつ自分なりに努力して広げてきたからですし、SV研究会の運営も少しずつ改良してきた結果なのかもしれません。

ネットワークは、自分で努力しなければ決して広がることはありません。特にSVは、外に出る機会もないので、なおさらです。


人から人を紹介してもらったり、自分で名刺交換をきっかけに広げていかなければならないのですが、今回は、人生が変わる出会いのエピソードをご紹介したいと思います。

今は、コロナの影響があって、できていませんが、これまでSV研究会は、毎期4回ずつやっていますが、そのうちの1回は他社見学を取り入れてました。


第1期はジョンソンエンドジョンソンで他社見学をさせて頂きました。
第2期も・・・サポーター企業はないので、ジョンソンエンドジョンソンさん。
SV研究会の立ち上げ期でもあり、これといった実績もないので、他社にお願いできる状態ではありませんでした。

協力して頂いたジョンソンエンドジョンソンの和泉マネージャー(現在、カルディアクロス代表)からも、「うちでやるのは構いませんが、同じ企業からもエントリーされるケースもあり、見学してきた情報も社内で回ってしまうだろうから新鮮味がなくなってしまうのではないか」とアドバイスをもらいました。

おっしゃる通りだなと。

危機感を抱いた私は、これまで名刺交換させて頂いた100名くらいの名刺から、お願いできそうな企業を探しました。
当時、リクルートの部長だった河合洋さん(つなぐ研究所代表)の名刺を探し出し、河合さんにメールで問い合わせてみました。

ところが、河合さんは、コンタクトセンター部門を離れたばかりで直接の協力はできないので、コンタクトセンター部門のマネージャーである山田さんに連絡してみては?と言われたのです。

そこで、紹介頂いた山田修司マネージャーに連絡をしました。

すると、山田さんは、「早速、一度、うちに来てSV研究会について説明してくれませんか?」との返事をもらい、早速、プレゼン資料を携え、プレゼンをしに行きました。

プレゼン当日。

ある会議室に通され、山田さんにSV研究会について、プレゼンします。
プレゼンが終わるまで、フムフムと40分ほど聞いていた山田さんが、プレゼン後、真面目な顔で開口一番で言った言葉。

とても衝撃的でした。

それは・・・

「寺下さん、認定します。寺下さん、あなたCSの変態です。」

「!!!」

えー!!!ですよね。

私は、「話は理解しました。SV研究会、是非、協力しましょう。」という言葉を待っていたのに、全く異なる言葉。

しかも、CSの変態って ^^;

山田さんのコメントは続きます。

山田さん:「社内ならともかく、社外のSVも育てちゃうなんて、そんな人いないし、寺下さん、ある意味いっちゃってます!これは、CSを極めようとしている人にしかできないことです。」

なるほどー、変態というのは、そういう意味かと理解しました。

ちなみに山田さんによると、CS変態の正式な定義は、「会社から頼まれていないことを自分の判断で勝手に進めていける自発性と能動性の持ち主」だそうです^_^

無事、山田さんに快諾してもらい、リクルートさんが、第3期のサポーター企業になってくれました。

そんな山田さんから、後日、こんなお誘いの連絡がありました。

「寺下さん、今度、CS変態の会を渋谷で行います。寺下さん、是非来ませんか?」

CS変態の会。

名前だけ聞くと、非常にやばい会です。

あなたなら、参加しますか?

確かに興味はわきますが、果たして誰が来るのか、また行って大丈夫か実に迷う飲み会であります。
でも、色々迷った結果、ワイルドにいってみようと思い、参加することにしました。

当日の夜、渋谷。

CS変態の会スタート。

6人ほどでしたが、初めて会う人ばかりです。お酒を飲んで、緊張を和らげます。変態の会というものの、参加されている人の見た目は普通の格好をされていて、どちらかというと知的な感じがします。2、3人の方と会が始まる前に名刺交換しましたが、有名な企業のマネージャーさんばかりです。

ちょっと安心。
そして、皆さんフレンドリーなので、すぐ打ち解けました。

お酒も入り、私の過去あったクレーム対応話や私の失敗談でかなり盛り上がります。主催の山田さんも「寺下さん、話が面白すぎ!!笑いすぎて本当、お腹が痛い!!」という感じでかなり盛り上がりました。

会も終わりに近づいた頃、斜め前に座っていた山田さんが、私にこんなことを笑いながら言ったのです。

これも衝撃的な言葉でした。

山田さんが言った言葉、それは・・・

「そういえばさ、ハハ、寺下さんの隣の女性、寺下さんと同じ会社だよね。ハハハ。」

ケタケタ笑いながら、山田さんは、はっきりとそう言いました。

ん!?

何か、嫌な予感がする。変な胸騒ぎがします。

えっ、隣に座っている女性?

さっきまで私の話で大笑いしてたけど、確かに誰だっけ?

隣の女性は同じ会社!?
トナリノジョセイハオナジカイシャ?

何度も頭の中でリピートします。

高校時代の宮原先生が英語の授業で「リピート、アフター、ミー」と言って、先生の後について英単語を発音していたのを思い出します。

はい、皆さんもご一緒に。
「リピート、アフター、ミー、隣の女性は同じ会社?」

さっきまで、バカな話をしてたけど、大丈夫か?自分自身の中で、自問自答しますが、お酒が入っているせいか、脳がイマイチ上手く機能しません。
意を決して、社内同士ですが、隣の女性と名刺を交換することにしました。

寺下:「ご挨拶が遅れました。寺下です。同じ会社とは知らず、申し訳ございませんでした。」

見た目は・・・・えーと、私のより多分若い・・・はず。

うん、大丈夫、大丈夫。自分と同じ一般社員のはず、と思いたい。
そう思いながら、真っ先に目がいったのが、名刺に書いてある肩書きです。

みてみると、そこには、

社長室長 の文字。

ひえー。

隣に座っていたHさんは室長、つまり部長だったのです。

あー、終わった。

懇親会もそろそろ終わりそうだけど、自分の人生も終わりそうです。

まるでドラマのようです。いや、ドラマでも、ノンフィクションじゃなくて、フィクションのドラマであって欲しい、そう思いました。
夢ならいいなと思いながら、何度も自分の足を手の指でつねりました。

迫る現実。そして、頭に浮かぶ「退職」の二文字。

帰りの電車でも、ずっと一人で反省していました。
あんな話、しなけりゃ良かったなとか、考えるのですが、あの時間には、もう戻れません。

そして、翌日の早朝、衝撃的なメールが社長室長のHさんから私宛に届くことになるのです。

その衝撃的なメールとは?

「昨日は、有り難うございました。とても楽しかったです。寺下さんには、次回の経営会議で講演して頂くことにしました。
執行役員のSさんにも既に了承を取りました。宜しくお願いしますね。」

おー。

上層部が参加する経営会議に・・・・私が出て・・・・えっ!?・・・・講演!?
さらに、「講演して頂くことにしました」と相談ではなく、決定事項です。

山田さん、そして、CS変態の会がきっかけで、私は経営会議で講演することになったのです。

ちなみに変態の会の隣に座っていた女性Hさんは、その後、クックパッドの執行役員に転身されました。

私は、リクルートの山田さんと知り合って、色々な方と出会うことができました。
カルビーの天野さんをはじめ、その業界の有名な方とも数多く会うことができました。
山田さんはよく、「寺下さんに一度会って頂きたい人がいます」と言って、引き合わせてくれるのです。

私も山田さんのような、人の起点となる人材となりたいなと思っています。

そんな、面白いエピソード満載の山田さんですが、第3期SV研究会をリクルートさんでさせて頂いた後に山田さんからこんなメールをもらいました。

そのメッセージは、今でも忘れることはありません。

そのメールに書かれていた内容とは・・・

「僕の夢のひとつは、寺下さんの夢の実現に、参加することです。役柄を与えていただければ幸せですし、もし与えていただけないならば、自分なりに勝手に役割をイメージし、会社の枠を飛び越えて、エキストラ参加して参ります。」

私は、このメールをもらって、思わず泣きました。
とても心に残るメールでした。

あなたにも人生を変える出会いがあるといいですね。

では、また。

宜しければ、サポート頂けたら嬉しいです。サポート頂いた費用は、SV研究会運営費に充てさせて頂く予定です。