コロナウィルスから学ぶ危機管理
今回のテーマは、「コロナウィルスから学ぶ危機管理」です。
現在の日本経済は、非常事態に直面していると言って良いと思います。
リーマンショックの時のことを思い出してみてください。
あの時、多くの人は、どうして良いのか分からなくなりました。
当時、問題解決に関する本も通常ですと毎年30冊ほどしか新刊本として出版されませんが、この時は、50冊ほど出版されました。
それほど、多くの人は、未知の問題にどのように解決して良いのか分からなくなったのです。
こんな時こそ、最悪の事態を想定して、事前に準備しておく必要があります。
コンタクトセンターでも同じです。
先日、ドコモのコールセンターでコロナウィルスの集団感染が発生したというニュースが報道されました。
コールセンターは、
1、ヘッドセットを使い回している
2、固定の席ではないことが多い
3、使用しているPCも共用
4、セキュリティの関係から閉鎖された空間で業務をしている
5、パーテーションも低かったりして、咳やくしゃみで感染しやすい
6、セキュリティやシステムの関係から在宅での対応がまだほとんどのセンターでできていない
などの理由から、他業種に比べ、感染のリスクは非常に高いと言えます。
インフルエンザと同様、集団感染して、多数のオペレータさんが欠勤すれば、業務運用の方法なども根本的に見直す必要が出てきます。
今からでも、最悪の事態を想定して、早めに準備しておいた方が良さそうです。
今は、コロナウィルスの問題ですが、もし、災害で電源機能を喪失して、電話が繋がらなくなったらどうするか?
大地震が発生して、オペレータさんが避難した場合、コールセンターとしての対応はどうするか?
台風などで交通機関がストップし、オペレータさんが出勤してこれなくなったら、どうするか?
こういった事態を想定して準備しておく必要があるのです。
実際に東日本大震災があった時、私が働いていたヤフーでもこんなことがありました。
9年前の大震災の時、従業員全員が東京ミッドタウンの広場に避難しましたが、電話回線を閉じなかったため、しばらく、お客様が電話をかけても、繋がらない状態となりました。
そんな大規模な災害がまさか起こるなんて、想定していなかったからです。
私は、あるセンターの災害訓練を体験してから、最悪の事態が起こることを前提に考えるようになりました。
あなたのセンターでも消防訓練や地震の訓練などが行われると思います。
私がマネージャーをやっていたセンターでも訓練を行うことになりました。
しかも、想定以上の大規模な訓練です。
通常ですと、PCの電源が落ちたことを想定して、訓練時間だけは、顧客情報は見ずに紙で顧客対応履歴を残すなど対応してみるみたいなことは、どのセンターでもやると思うのですが、実際に全ての電源を落として、対応させることになったのです。
コールセンターとしては、大パニックになるような状況です。
訓練途中、低圧電気車がやってきて、電気の供給が再開するのですが、そこまでPCも機能せず、電話も一部だけが機能する状態でオペレーションを行うことになりました。
想像していた以上の事態がセンターで発生します。
・顧客情報を確認できないけど、どうやって顧客と特定するの?
・後処理ってどうするの?
・紙で対応してた顧客対応履歴は、いつ入力するの?(そもそも入力するの?)
・積滞の状況も把握できないけど、どうやって判断するの?
訓練後、あーすれば良かった、こうすれば良かったと、反省すべきことがたくさんありました。
それ以降、最悪の事態を想定して、対処するようになったのです。
あなたのセンターは、今後起こりうる事態に対処できるだろうか?
では、また。
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