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ノートは見開きで、多機能ペンは全色で、「わかる」力を伸ばすメモ術メソッド

はじめに

私は普段,相談業務の現場で働いています。
かれこれ25年になります。相談に来られる方々は様々な事情を抱えていらっしゃいます。
相談事そのものが明確な方や、その場で話をしながら要約して自ら来られる方など。。
私の方からアポを取ってお会いし、その時に用件を告げてお話を聞かせていただくなど,いろいろな状況で対話します。

聞いた内容を要約して、データ化する仕事です。似たようなお仕事をされている方は多いと思います。
面談の際には必ずメモを取ります。ところが、面談後にメモを見ながらパソコンでテキスト化する時「これ,なんて書いたんだっけ」「これどういう意味だったかな」などと,自分で取ったメモなのに、思い出す作業で入力作業が頻繁に止まっていました。
この無駄な作業をスッキリ無くすため,面談中に直接タイピングしてみましたがどうもうまくいきません。「やはり手書きのメモ」と立ち返り,今度はメモ書きのやり方を見直そうと考えました。

メモ術やノート術に関する書籍をいろいろ読みあさり,自分なりの実践と工夫を重ね,今のメモスタイルに固まりました。他にももっと良い方法があるかもしれないと考えましたが,今のスタイルがしっくりきます。

メモを取る際の必須アイテムは
「多機能ボールペン」と「ノート」です。

多機能ボールペンとは3~4色のボールペンとシャープペンを1本に封じ込めたペンのことで,多色ペン、もしくはマルチペンとも言われています。
私は多機能ボールペンを使用することで非常に効率よくメモを取ることができるようになりました。

同じ形式のペンが各社から販売されていますが,私は中でも三菱鉛筆(UNI)製のジェットストリーム4&1を愛用しています。カチっとノックすることで、瞬間的にペンの色を変えることができます。

多機能ボールペンの特徴を生かし,メモを取る際に工夫を重ね、ようやく解決しました。このスタイルのメモ術を活用して10年以上になります。面談のメモ記録,アイデア練り出し,ひとりブレインストーミング,スケジューリングやプレゼンテーションシナリオの下書きなど,今ではすべてこのメモ術でまとめています。

そしてメモの工夫を始めてから,自分の中に変化が起きていることに気が付きました。以前に比べて物事を整理して考えられるようになり,仕事において同僚や上司の相談や,物事の説明,プレゼンテーションがとてもスムーズになっていました。
責任をともなう仕事を任せてもらうようにもなり,振り返ってみると論理的な思考が身に付いているようにになっているのではと実感するようになりました。

夢の実現や仕事のスキルアップ,暮らし全般にクオリティアップに役立つツールかどうかはこれから、というところでしょうか。
私は、一連の相談業務の効率化を目指した我流のメモ術の考察だったのですが, 仕事の効率が上がり,さらに自分の思考にも良い影響が得られるなど,予想外の副産物によって得をした気分です。

世界に数えきれないほどの料理とそのレシピが存在するように,メモ・ノート術のレシピも非常に多く紹介されています。
その一つとして,多機能ボールペンの有効活用から考えたメモ・ノート術とはどういったものか,ご紹介してまいりたいと思います。

1章 「多機能ボールペン」の機能をフル活用!

1節 メモは手書き派?デジタル派?

スケジューリングや仕事のタスク管理,アイデアの練り出し,勉強や買い物や家事など生活のあらゆる場面でメモは欠かせません。
あなたはメモをどのように作成、管理していますか?
手書き派ですか?デジタル派ですか?

スマートフォンやタブレット端末の普及によって,いつでも、どこでも、デジタル入力処理による記録や画像データの作成と保存が可能になりました。ネット環境の普及・整備によって、いつでもどこでも簡単にSNS等でアウトプットできるようになりました。
デジタルネイティブ世代にとっては当たり前のことです。

ところが、これだけIT技術や情報機器が整って、情報技術が発展しているにもかかわらず,依然として手帳やノートにペンで書き込む「手書き派」も健在です。

その手書き派にエールを送るかのように,あらゆる文具メーカーが競い合って高機能・高性能な筆記具を開発・提供しています。
日本製の文具は、世界でもトップレベルの機能とも言われています。

高品質の文具を、気軽に手に入れることが可能という恵まれた環境で、
ノートに書くことによって得られる恩恵があります。

手を動かして書くことによって脳が活性化されるため、ノートを使って勉強をする方が、暗記や理解の定着率が良いという統計もあります。
デジタル化推進もさることながら,手で書くことの良さもおおいにあるということです。
そして、仕事や勉強でメモを欠かさない習慣は、良い習慣だと言えます。
 

2節 メモを保存用備忘録から新鮮な情報素材に

メモは,その場で見たり聞いたりしたことの備忘録だけに留まりません。

目の前のことに集中するために,頭を創造的なことにフル活用するため、
外部記憶装置の役割として,あらゆることをメモすることをお勧めします。

ちなみに、メモの語源は「記憶する、記憶したことを思い出す」というL.memini(動)が語源だそうです。
メモすることで、一旦忘れることにし、頭をすっきりさせることができ,かつ後でメモを見直すと,その時にどういったことを考えていたのかなど克明に思い出すことも可能です。

メモを見返した時に、鮮やかに記憶がよみがえってきたとしたら、メモをした甲斐があったと言えます。

書いたメモを、単なる備忘録に留まらせず、画期的なアイデア創出可能な起爆剤としましょう。
 

3節 有益な情報をキャッチできるチャンスは1度きり

忘れないように、と備忘録メモの作成を心がけていたとしても、書き残しておきたい名案というのは、突然現れ,ふっと逃してしまうことが多いものです。

あとでメモしておこう

っと思っているうちに「あれ?何だっけ」と忘れてしまった経験をお持ちの方も少なくないでしょう。

せっかくの名案,さっき聞いたイイ話,滅多に会えない人からの話など,価値ある良い情報ほど,実に賞味期限が短いのです。
これは、
ひらめいて湧き出たその瞬間がもっとも情報価値高値の時と言えます。もうそのチャンスは二度と来ないかもしれません。
瞬間的に現れた良い情報素材を良い状態ですかざずキャッチしましょう。手書き,スマホのメモ機能,この際手段は選ばない貪欲さをもって臨みたいものです。
ここまでは正直どこかで聞いたお話しだと思います。
ひらめきを一元的にメモを取るだけでなく、そこでさらにひらめいた疑問や感覚もまとめてキャッチし,構造的な形にして記録しておけば、アイデアから派生したアイデアもいっしょに保存しておけるのではないでしょうか。
瞬間的なひらめきが儚く消え去る前に,そのワンチャンスをロスとせずモノにするちょっとしたメモの仕方で派生したアイデアを下ごしらえ程度に加工することができます。
どうせメモをするならその情報素材を有効に活用したいものです。

4節 新鮮な情報素材をその場で下ごしらえ

現代は、あらゆる物事においてスピードが重要視されますす。
しかし私は一律一葉に、時短が優先されるとは限らないと考えています。仕事は一気に片付けることが良しとされることもあれば,じっくり深層・核心に迫っていくことが求められる場面だってあります。
じっくりと取り組むと言えば、キャッチした事柄の真意や、細かい意味,含みをしっかり掘り下げて、理解するような勉強や研究、相談、カウンセリングがあてはまるでしょう。
日本語は世界においても難解といわれる言語です。ひらがなとカタカナ,漢字の3種類の文字を巧みに組み合わせて文章が構築されているためです。実に日本語は3か国語分の言語能力を駆使しないと使いこなせないとの印象なので、馴染みのない外国人にとって日本語を習得することは非常に苦労するそうです。
また同じ意味のようで微妙に違う単語が幾種類もあります。「様子」と「雰囲気」や「組織」と「機構」など、微妙に使い分けが必要です。
さらにこれが会話となれば、表情や空気などのいわゆる言語外メッセージも含まれます。
空気感や意図をしっかり把握し、キャッチした言葉から意図のところまでどう掘りこんでいくか?言葉の意味を会話の中で尋ね、関連付け,理解を深めていく「傾聴」が大切な姿勢と言えます。
そういった場面で相互理解を深める助けとなるツールがメモでしょう。
書き留めたメモを見ながら、気になったキーワードについて,その真意を確認し、素地を整えるというメモ作業を情報素材の「下ごしらえ」と呼んでいます。
釣りをたしなむ人は海で魚を釣り上げたとき,その場で血抜きという一手間を加えて持ち帰ります。そうすることで保存する際の鮮度が増すそうです。メモも,ただ書き並べるだけでなく,後から読み返した際にくっきりと思い出すことができるよう臨場感もともに封じ込められるのなら,強力かつ多様に役立つツールになると思いませんか。

5節 聴き取って、理解を深める最高のメモツール「多機能ボールペン」

その場で聞き取る取材メモや,自分のアイデアをまとめるためのメモを、質のよいアウトプット情報媒体に仕立てるため「聞き取る・書き取る・まとめる」文具として、多機能ボールペンが最高のツールと言えます。
多機能ボールペン(多色ボールペンやマルチペンとも言われています)とは,有名文房具メーカーのゼブラ社が1964年に発売した3色ボールペンをきっかけに広まった文具です。数種類のペンを1本にコンパクトにまとめた筆記具です。
1977年にシャープペンシルとボールペンを1本にまとめた筆記具は「シャーボ」と名付けられ,当時,非常に革新的な商品として大ヒットしました。現在はリーズナブルな価格で2色から4色カラーのボールペン機能にシャープペンシルが加わるなど,さまざまな種類の多機能ペンが販売されています。
また書きやすさや保存性などの開発・工夫が重ねられ,水性・油性やゲルタイプなどインクのバリエーションも増えています。
日本のペンは今や世界的にもブランド力を持ち,比類なき逸品と言うことができるでしょう。

これほど世の中でパソコンやpadが普及し,もはやペンで仕事や勉強をこなすことは古めかしい時代遅れの一情景になるかと思いきや,いまだに「書く」ことによる仕事や勉強などのタスク処理は脈々と継承されています。
かえって書くことによる効能の高さを述べる方もおられます。
書くことによる情報収集と、整理のテクニックの革新は今後も続いていくと思います。
多機能ボールペンの特徴の一つは、1本で数色のペンを使えるということです。色鮮やかにメモを書くと,多彩な色が目に入ってくるため心理効果が見込まれます。
色の心理効果は科学的にも明らかになっているとおり,白黒で無機質な紙面よりも色鮮やかに書かれているというだけで視覚に訴える力が増し,記憶やアイデア捻出や情報整理に良い影響があると考えられます。
ノック式や、回転式など色の代え方は機種によって様々ですが、ボールペンを持ち替えることなく,1本のうちに装填されている色を一瞬で変えるというワザを使うことができます。
せっかくのこの機能を存分に活かさない手はありません。
カラーリングを一瞬で変化させて書き込むメモ法がどのような点で良いと言えるのでしょうか。

                             


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