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【事業再構築補助金】現在の事業の状況

 こんにちは。東京のコンサルタントです。

このシリーズではご自身で事業再構築補助金の事業計画書を書かれる方に向け、採択されるための書き方やテクニックを解説しています。

 さて、今回はセクションの1つ目「現在の事業の状況」について解説していきます。セクションについて説明した記事をまだご覧になっていない方はこちらからご覧になることができます。全体のフォーマットを確認した上で個別のセクションについての解説を読むことで事業計画書の書き方についてより理解を深めることができます。また、今回の記事は全体の流れの中では下記の赤線部分に該当します。

公募要領(第10回)P41-10.事業計画作成における注意事項

1.現在の事業の状況とは?

 このセクションは事業計画書の導入部であり、読み手に自社がどのような会社なのかということを伝える役割を担っています。何をしている会社なのかがわからなければ、この後の補助金で行う新事業の説明も読み手にとって分かりにくいものになります。事業計画書を全体として分かりやすいものにするためにもこのセクションはたいへん重要になります。しかし、いきなり、現在の事業の状況を説明するとなっても何を説明すれば良いか分からないですよね。そこで、現在の事業の状況セクションでは、大きく分けて2つのことを説明するようにしましょう。それは、当社の歴史とサービス概要です。まず、以下にテンプレートを示し、次にこの2つの要素のついて詳しくみていきます。

2.テンプレート

「現在の事業の状況」セクションのテンプレートを示します。(具体的な数字などはフィクションです。)

当社は2010年に×××市で現社長の◯◯◯が創業し、これまで『(事業名)』を専門に営業を行ってまいりました。現在は×××市に3店舗展開しており、従業員数はアルバイトを含めると30人おります。直近の決算期の売上高は80,000千円でした。当社は創業以来×××市の高所得世帯向けに、◯◯◯を販売してまいりました。小さな会社ならではの小回りの利く店ということで地元の方を中心に愛されるような店づくりに努めてまいりました。

3.当社の歴史とサービス概要の書き方

 現在の事業の状況を書く際のテーマは、「漏れなく、書ききる!」です。まず、当社の歴史とサービス概要をいくつかの要素に分解して考えます。そうすることで、漏れなく事業の状況を説明することができます。まず、当社の歴史について、「いつ、どこで、誰が」会社(事業)を始めたかを簡潔に記述するようにしましょう。ホームページに記載されている沿革のような長い記述は必要ありません。会社が設立された西暦、会社の所在地(市町村レベル)、創業者が誰かわかるくらいの粒度で説明できれば十分です。また、それと同時にどれくらいの規模で営業を行っているのかも記述しましょう。規模に関しては、直近の決算の売上高・従業員数を記述することで示すことができます。
 次にサービス概要です。現在行っている事業が何をしているかを説明しましょう。その際に押さえておかなければならない要素として「誰に、何を、いくらで」という3要素があります。「誰に」では自分たちがターゲットにしている顧客を説明しましょう。例えば小売店を営んでいる会社なら、大阪府◯◯市のファミリー層などです。次に「何を」では自分たちが売っているモノ(サービス)を詳しく説明しましょう。最後に「いくらで」では、提供するものをどれくらいの価格で販売しているのかを記述しましょう。必ずしも価格の具体的な数字が必要というわけではなく、高級帯や低価格帯などといった粒度で説明するのでも良いです。サービス概要では、他社と比較したときの自社の特別な点、アピールポイントに関しても言及しても良いですが。少なくともこれらの3要素を含んでサービス概要を説明するようにしましょう。下に示したのは、「現在の事業の状況」セクションのイメージ図になります。

現在の事業の状況(イメージ図)

4.おわりに

「現在の事業の状況」セクションでは何よりも、わかりやすく、簡潔に自社の状況を書くことが大事です。この記事ではいくつかの要素に分解してこのセクションを解説しました。それぞれの要素を漏れなく記述することで、わかりやすく自社の説明をすることができるので、事業計画書を書かれる際は漏れのないよう意識して書くようにしましょう。