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現状維持バイアスに立ち向かうリーダーの意志

皆さん、覚えていますか?
何をって?
「コーラ」さんです。
当時25歳くらいだった理学療法士でデイサービス管理者の男性。
私の約500回の記事の中で20回くらいは登場している彼。
彼の記事の一部分はこちら↓

あまり記事にはしておりませんが、彼とは毎週1回オンラインでミーティングを行っています。
彼は現在、デイサービスの管理者は卒業し、同じ会社で別の部門の立ち上げを担当している。
今回の事業はデイサービス開設のように分かりやすい事業スキームではないので2年前のデイ開設時とは大変な部分は違うと思うが様々な経験を積める幸せを噛みしめようぜコーラさん。

コーラさんとの話で業務改善の話になる。

前職時代での話。あるデイサービスで利用者様の急増と職員の急な退職があり、業務負担が負担が急増した。
社員さんとのミーティング、減らすことができる業務の洗い出しを行う。

私が目をつけたのは利用者様の連絡帳。バイタルや食事等が書かれているが最後に自由記載でそれぞれコメントが。
ただ8割くらいの利用者様に対して、
「今日も1日楽しく過ごされていました、またデイでお待ちしております」
このような定型文のようなものが書かれていた。

「これ、無くせばよくないですか?」
「いや、返信を書いて下さる家族さんもいるので止めない方がいいと思います」
「わかりました、では返信を書いて下さる利用者様に対してだけ記載をしてはいかがですか?」
「でも返信下さらないだけで読んでくださっている人もいると思いますし」
なかなか手ごわい。
「返信もしてくれないけど楽しみにしてくれる人もいらっしゃるかもしれない、でもそのコメントがもし無くなったらデイを止めてしまうでしょうか?」
「でも‥」

皆さんも想像がつくのではないだろうか。
忙しい、大変だ、と言っている現場スタッフ、いざ業務を改善しようと思うと全然業務が減らせない。
その業務を減らすことで顧客満足度が全く下がらないか、というとそうではない。
しかし、割合としてはごくわずか、ごくわずかなリスクを守るために非常に多くのコストをかける。
そのコストは顧客満足度を上げるための別施策の導入や挑戦の大きな妨げになる。

利用者様が増えた、職員が減った、さらには近くに新しくデイサービスが出来た、介護保険法が変わった、変化は多様であり常に動いている。
そのような中で今まで通りを維持することが最善であることは非常に少ない、無いと言っても良いと思う。

結果、このデイサービスは連絡帳のコメント欄の記載を止めた。
その後、職員が補充されたがコメント欄の記載が再び始まることは無かった。

もしも職員の急な退職が無かったら、ずっと誰のためにもなっていない定型文のコメント欄が残っていただろう。
この業務改善会議が少しでも早くできたことはデイサービスにとって確実にプラスである。

危機が起こると現状を変えざるを得ない。
しかし、この危機がなく変化せずに進んでと成長度が鈍化したり、その先の更なる大きな危機にぶち当たるかもしれない。

ピンチはチャンスとよく言うが、本当にそうで、ピンチが無いと変化できない。
それくらい現状維持バイアスは強いものである。

危機が起こる前に変化を起こす、これがリーダーの意志である。

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