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祖父と弟のキャッチボールの話

皆さん、おはようございます。
少し暖かくなってきたなと思っていたら、また寒さが戻ってきた朝ですね。

毎朝、部屋で作業する際に自分が無意識にヒーターをつけるか否かで今日の温度を推察することが出来ます。
しかし、私よりも寒さに敏感なものがあります。
それは私のパソコン。
古くなってきているせいか起動時にファンが爆音で鳴るようになった。
ファンがなるのは決まって寒い日。
PCが安全に動くように起動してくれるファン。
人間で例えるとウォーミングアップしてくれているんだ、しかし若いころと違い一挙手一動作がスムーズにいかない、いちいち起き上がったり座ったりする際も「よいしょ」と声が出てしまう、といったところであろうか。

私は以前にも記載したが幼少の頃、祖父母と一緒に暮らしていた。
祖父からはいろいろ教わった。
そろばん、漢字、歴史といった勉強系から将棋、麻雀といったゲーム、
あと野球をよくやっていたなという思い出がある。

野球といってもキャッチボールが中心。
私と祖父はちょうど60歳違いの同じ干支。
私が保育園のころ、というと65,66歳という年齢でしょうか。
やわらかいボールで家の中でキャッチボール、毎晩祖父が仕事から帰ってきては遊んでもらっていた。
小学校に入学、低学年のころ、3つ年下の弟も一緒に隣の空き地で祖父とキャッチボールをする。
ボールも硬くなり、グローブも買ってもらった。
最初はうまくグローブにボールがハマらなかったのを覚えている。
さらに3つ下の弟の方がうまかった記憶がある。
しばらく3人でキャッチボールをしたが私が4年生ころになると私は徐々にキャッチボールをしなくなった。
なぜだったかはあまり覚えていない。
3つ下の弟が小学校に入学し、小学校の野球チームに入る。
その為、祖父とのキャッチボールは弟が中心となっていった。

あまりキャッチボールをやらなくなった小学校4年生当時10歳くらいの私、祖父と弟がキャッチボールしているのを見に行った。
「おじいちゃん、ちゃんと捕ってよ!」
弟の声がする。
「球が早くなったなあ」
70歳の祖父と小学1年生の弟。
数分キャッチボールを見る。
3回に1回ほど祖父がボールを落としている。
昔はそんなことは無かった。
家に戻る、
母親に
「おじいちゃん、キャッチボール下手になったんじゃないかな?」
と話す私。
母親は
「小さい頃は大きくなるにつれて出来ることが増えていくでしょ?でも大人になり40歳くらいを過ぎていくとだんだん今まで出来てきたことが出来なくなっていくんだよ」
弟が言う。
「じゃあ、おじいちゃんとキャッチボールしてもうまくならないってこと?」
母親は答える。
「どんどんひろくん(弟)は大きくなっていくから上手になっていくよね。でも今までは上手じゃなかった時はおじいちゃんが教えてくれていたよね。ひろくんが捕れるようなボールを投げてくれていたんだよ、今度からはおじいちゃんが捕りやすいボールを投げる練習をすればいいんじゃない?

祖父が引っ越しをする2年後まで弟はキャッチボールを続けた。
祖父が千葉に引っ越し、年に1度くらい遊びに行った際もキャッチボールをしていた。
そんな祖父は脳梗塞で寝たきりになり88歳の時に息を引き取った。
2月の中頃のころだった。

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