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「授業参観来ないで」と言っていた思春期の反抗期が今、終わる

17時からのオンラインミーティング。
18時までできっちり終わろうと思っていたが少し長引く。
電車の時間を調べる。
ギリギリだ。急いで駅まで歩く。
新幹線が日中止まった影響だろうか、普段よりも人が多い名古屋駅。
在来線が遅延していなきゃいいけど。
よし、遅延は無い。
発車2分前、何とか乗車。

19時過ぎ、待ち合わせ場所の最寄り駅に到着。
ここから待ち合わせ場所まで10分。
急げ。
雨がチラつく。
前日の台風のせいなのか、当日の雨のせいなのか、お盆明け初日のせいなのかは分からないが普段よりは人が少ない歓楽街。

待ち合わせ場所に到着、相手はもういた。
2人で予約していた焼肉屋に向かう。

「いらっしゃいませ、お待ちしておりました」
個室に案内される。
ちょっとイイコースを予約しておいた私。
まずはビールで乾杯。

よくよく思い出すと、初めて2人でのディナーだった。

最初はサラダとユッケが運ばれてきた。
サラダを取り分ける私。
そこから運ばれてくる牛牛牛。

あまりに肉がキレイすぎて写真を撮る。
「酔っぱらう前に写真撮ってよ、お店の人に撮ってもらう?」
相手が言う。
「まあ、自撮りでいいんじゃない?」
肉を相手に持ってもらい2人の顔が入るように写真を撮る。

撮った写真、結局私の顔は目しか写っていない。
恥ずかしかったんだろうね、ウブな私。


「しみずさん、そういうことはやっていると思うけど、こういう所に書いちゃダメですよ」
「有料記事設定をし忘れたんじゃないの?大丈夫ですか?」
そんなLINEをもらいそうなのでこのあたりでネタバレを。

先週8月10日は私の母の64回目の誕生日。
毎年、肉や花などを誕生日プレゼントとして贈り物をしていた。
しかし、ふと考えた。

「何を食べるかではなく誰と食べるか」ではないか?

私は男3人兄弟、3男は関東方面で仕事しており、ずっと実家にいた次男も5年ほど前に結婚。
それから父母二人暮らしになっている。

「肉美味しかった?」
「美味しかったよ、大きすぎて2人で食べたけどお腹がパンパン」
昨年送ったイイステーキ肉の感想。

最近、セミナー講師の影響もあるが相手目線から見る自分目線思考を心がけている。
どういうことかというと、母親は美味しい肉が息子から送られてきた、嬉しいがなんか物足りない、と感じていると想像するとする。
では自分が60歳になり、娘から肉が送られてきた。
嬉しいだろう、でもどういう気持ちになるだろうか。
高級な肉を送ってもらうよりも、一緒に吉野家を食べたい、と想像した私。

自分が将来望んでいる風景を今、自分は出来ているのか?

こういう問いをするようになった。
実家に帰った時は母と2人で晩酌をしながら話をすることはあった。
しかし2人で夜、外食をする、照れ恥ずかしいがやっぱりいいものだ。

出てくる食事すべてに「凄く美味しい」といい完食する母。
私は途中でお腹いっぱい。
肉5切れくらい母と食べた量の差があるね。

デザートのアイスを食べる。
「まあ、せっかくだから2人の写真撮ろうか?」
さっきの2人の写真は目しか写っていないので取り直そうと酒の勢いも借りて提案。
「撮ろう撮ろう」
喜ぶ母。

絶対自分が娘からされたら嬉しいだろうな、今までなぜできなかったのだろう。
「お母さん、授業参観来ないで」と言っていた思春期の反抗期がまだ続いていたんだろう。

2人で撮った写真、私は少し酔っぱらっているが母の顔は本当に素敵だった。

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