見出し画像

あやとり放談6🎗日本国憲法 (下)| 憲法の鎖

アメリカ独立宣言の起草者の一人であった第3代アメリカ合衆国大統領トーマス・ジェファーソン(Thomas Jefferson)の「Chains of the Constitution」 というフレーズをご存じですか?

日本では「権力に関わる事柄で、もはや人間への信頼を語るのはやめよう。悪さなどしないよう、権力者を憲法という鎖でしばるのだ。」という言葉がたまに憲法論議に引用されますが英語原文は見かけません。

この言葉のオリジナルは、トーマス・ジェファーソンの1798年のケンタッキー決議の草案です。彼の草案の中に以下のくだりがあります。

"... in questions of power then, let no more be heard of confidence in man, but bind him down from mischief by the chains of the constitution ...."

「…権力の問題で、もうこれ以上人を信頼するのはやめよう、権力者が悪さしないように憲法の鎖で縛ろう…」

トーマス・ジェファーソンは「憲法の鎖」というフレーズを使って、憲法の意義を示唆しました。

2012年12月からNSAの内部告発のためにアメリカの弁護士ジャーナリストのグレン・グリーンウォルド(Glenn Edward Greenwald)への接触を始めたエドワード・スノーデンはグリーンウォルドへのメールの中で「権力者が望めば憲法すら覆されてしまう」と書いた後「もうこれ以上人を信頼するのはやめよう。権力者にバレないように暗号の鎖で縛ろう」とジェファーソンのフレーズを引用しました。

アメリカ人の合言葉は「自由と正義の国アメリカ」です。英国の植民地支配から独立するために多くのアメリカ人の流血を代償に建国されたアメリカ。アメリカ人は「権力の恐ろしさ」を理解しています。それ故に憲法の重要性を理解しています。アメリカ人のジェミーがスノーデンが内部告白に至った心情を端的に描いた記事をご覧ください。

「政府や企業にすべての権利を与えることは極めて危険なことである」

というスノーデンの言葉を日本人は十分に理解できているでしょうか?

国防だ!増強だ!改憲だ!と敗戦国であることを忘れて軽薄なプロパガンダを叫ぶ平和ボケした日本人が増えた。

自主独立、日本を守るのは日本政府。それは当たり前である。だからと言って、「戦争放棄を明記した第九条を削除しなければ国民は平和に暮らせない!」と叫ぶ能天気には閉口する「戦力不保持」「交戦権否認」は慎重に討議しなければならない。

平和憲法、国民主権を守ることと自国を守る武力を備えることは別の問題として討議しなければならない。

憲法自主改正の念仏を唱えるただの武力信奉信者は、議論討論を始める前にその単純な頭を自主改良していただきたい。



あやとり放談5◀||▶あやとり放談7

USA AYA