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「豆乳はぜったい健康によくない!」健康食品業界の闇を暴いたダニエル博士

by エムケイコンサルティング 秋月

  Dr. Kaayla Daniel は健康食品業界の闇を暴いたザ ホールソイストーリーの著者として有名。わんぱく栄養士と自称するカイラダニエル博士。健康食品界の作り話をユーモラスにバッサリと切り捨てます。「消費者の大きな間違いはヴィーガンダイエットで健康になると信じていることです。」と話す。

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いったい、どうして豆乳は体に悪いのか?カイラ・ダニエル博士(PhD)のお話を聞きたいと思う方は多いと思います。

ザ・ホールソイストーリー 第6章を要訳しましたのでお楽しみください。

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第6章要約

 牛乳の日常的な摂取が体に悪いと言われだしてから数十年間。牛乳の代替品として豆乳が体に良い健康ミルクだと広告宣伝されましたが多くの消費者には不味い偽物ミルクだとされて長い間需要を喚起することはできませんでした。

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 ところが、シルクの豆乳製品が健康食品店やスーパーの冷蔵品コーナーに牛乳と一緒に並べられてからすべてが変わりました。豆乳特有の汚らしい色、カビ臭い焦げたような匂い、飲んだ後の豆臭や嫌な苦味など、不評で売れなかった豆乳は牛乳のように白くてミルキーで臭味のない、とても飲みやすいミルクに大変身して売上高がどんどん跳ね上がり、2001年には600億円、2005年には1000億円に達しました。ところがその後売上は止まり、現在は年々減少し続けています。

 メディアが豆乳摂取のリスクを消費者に伝え、アーモンドミルクやライスミルクの需要が高まっているにもかかわらず、豆乳メーカーはいまだに豆乳は長寿のアジア人が何千年もの間飲み続けている伝統的な健康食品だと宣伝しています。

 もしそんな宣伝を信じて豆乳を飲んでいる人がいたら、中国では昔から豆乳が健康に良い食品だなんて考えていないということを知ったら驚くでしょう。

 中国では、豆乳は豆腐の生産過程にある産物にすぎませんでした。古来、豆乳が健康に良い飲料だという考えはなくて、1930年代になって、時々、年寄に供される嗜好品となってエビや卵黄料理に混ぜて使われるぐらいでした。

 日本でも、豆乳が日常摂取されるような食習慣はなく、1970年代後半までは、豆乳の消費はほとんどなかったのですが、豆乳メーカーが「仕事の疲労やストレスで弱った体を健康で元気にしてくれるエネルギー飲料」と宣伝して豆乳を発売したのが切っ掛けで日本人も望ましくない豆乳摂取を始めてしまいました。

 中国のアルベルト・シュバイツァーと呼ばれて、豆乳の製造技術を考案した医師で宣教師の米国人ハリーミラー博士は、医療活動で日本に滞在したあと、1959年、ソイビーンダイジェストの『日本人に豆乳は必要ない』と題した記事を書いて、日本料理には味噌や醤油など様々な形で大豆が使われ日本人は良い形で栄養素を摂取しているので、わざわざ日本人が豆乳など飲む必要は全くないと話しています。

 しかし、せっかくのミラー博士のアドバイスは活かされず、日本人は望ましくない豆乳摂取をしています。

 豆乳が売れなくなったのは、豆乳の有害性リスクに気づいた米国の消費者が増えたからですが、いったい豆乳はどのように有害なのでしょうか。

 元々の豆乳の作り方は、長時間大豆を水につけ十分に柔らかくしてから、多量の水を加えて石の挽き臼で砕いたものを袋に詰め重石をして、ゆっくり水分を搾り取ります。残った大豆ペーストをきれいな水で煮て表面に浮き出す大量の自然毒を含んだ汚い灰汁を全て残らず取り除きます。

 ところが、近代の製造方法ではこの大豆の自然毒を含む灰汁が残ったまま化学的に処理されます。アルカリ性溶液を使用して短時間で大豆を柔らかくした後そのまま圧力釜で煮ます。ゆっくり時間を掛けて大豆を柔らかくして絞る手間と完全に灰汁を取り除く手間を省いてしまいます。こうした製造過程で大豆の主要栄養成分であるビタミンが失われるだけでなく大豆の自然毒を残し品質を著しく落としいろんな有害物質を生成してしまうのです。豆乳に含まれるリジノアラニンなどは少量ですが体に非常に有害な物質です。

 豆乳の売上を上げるために豆乳メーカーにとっての最大の問題は、栄養価ではなく消費者が美味しいと感じる色・味・匂いでした。豆乳本来の汚い色、カビ臭い焦げたようなタンパク質の匂い、飲んだ後の豆臭と苦みをどうするかという問題でした。

 不快な酸っぱさ、苦味・渋みは酸化リン脂質(悪臭のレシチン)、酸化脂肪酸(悪臭の大豆油)サポニン、イソフラボンの名で知られている大豆エストロゲンなどによるものです。豆乳メーカーは多種大量の化学剤を混入して、色・味・匂・液体粘度などを人工的につくりだしました。それでも残る豆臭さを消すために更に好ましくない甘味料や香料が添加されています。

 たとえ、消費者の味覚が無糖だと感じても、売られているほぼ全ての大豆乳には多種の化学物質と共に大麦麦芽、玄米シロップ、生サトウキビ成分などいろんな原料が添加されています。製品には製造過程で失われた豆乳の栄養価をカモフラージュするためにカルシウムやビタミンD等のビタミンやミネラルなどが不適切に添加されています。市販の豆乳やアーモンドミルクやライスミルクなどの動物性乳代替品に添加されているビタミンD₂などは心臓病やアレルギーの誘引物質です。

 更に、消費者は要冷蔵製品は常温貯蔵製品より新鮮なものだと思っていますが、それは大きな間違いで、要冷蔵だからといって常温貯蔵製品の品質を上回ることはありません。要冷蔵製品も常温貯蔵製品も調整品であり品質はまったく同じです。調整品ですから、どちらも新鮮な製品ではありません。

 いかがでしたか、お楽しみいただけたでしょうか。北米市場では大豆乳など非醗酵大豆製品の深刻な健康被害が次々と消費者に伝わり2005年をピークに売上は停滞し2008年のアーモンドブリーズの発売を機に2009年からは牛乳や豆乳の代替ミルクとしてアーモンドミルクの需要が急増し消費者の豆乳離れが急速に進行してゆきました。

 マスコミ報道の有無で日本と米国の豆乳の消費量は下のチャートのように真逆に推移しています。マスコミによって注意喚起がされた米国では豆乳摂取量が減り、注意喚起がまったくされなかった日本では豆乳摂取量が増えています。この現象が、日本は食育後進国だと揶揄される理由です。

 豆乳について、以下のような良いご質問がありました。次回はこのご質問にお答えします。


<MKCへのご質問>「私も豆乳は健康のためには効果のあるものだと信じ込んでいましたが、確かに健康に良くないという記事もたくさんあります。ですが豆乳は日本でも昔から飲まれていた伝統的な健康食品ではないのですか?体に悪いのなら昔の人も飲むわけないと思います。それについてはどう思われますか?」

Chapter 6 of the Whole Soy Story 原文

エムケイコンサルティング 秋月