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Kokoroko 『Could We Be More』 (2022)

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7/10
★★★★★★★☆☆☆


ひたすら心地よい。爽やかな風が吹き抜ける。白シャツと短パンでオープンカーに乗りながら聴きたい。

管楽器、ベースの安定感はさすがだが、中でもドラムとギターが素晴らしい。ドラマーAyo Salawuと言えばKokoroko元メンバーOscar Jeromeの"Gravitate"での強烈なプレイが印象に新しい。本作でも4/7拍子などを組み替えた複雑なビートをいとも簡単に叩いてしまう技術は相変わらずだが、軽やかなパーカッションとの調和を重視した自然なスタイルに徹している。

ギタリストTobi Adenaike-Johnsonの控えめなディレイスタイルは良い意味でジャズギタリストっぽくなく、彼らの音楽にインディモダンソウル(Moonchild等)と似た雰囲気を感じるのは、このギタースタイル(と2人のシンセ)によるところが大きい。"Homeなんて私の理想のギター。

逆に、サウスロンドン特有の大胆なクロスオーバー、強烈なエネルギーといった要素は感じない。本作もほぼバンドメンバーのみで作り上げられている。だから、これが「サウスロンドンの真打ち」と呼ばれると違和感がある。真打ちはShabaka Hatchingsに任せておいて、このアルバムとひたすらチルっていたい。脱退したOscar Jeromeのシリアスな新曲と本作を聴き比べると、彼が脱退した理由もなんとなく察せられるところがある。

ビーチサイド、パラソルの下でチルアウトしながら聴くアルバムがまた増えた。今度の休みはこのアルバムと一緒にサメット島にでも行こうか。

Sheila Maurice-Grey – trumpet, vocals
Cassie Kinoshi – alto saxophone, vocals
Richie Seivwright – trombone, vocals
Onome Edgeworth – percussion
Ayo Salawu – drums
Tobi Adenaike-Johnson – guitar
Yohan Kebede – synthesizers, keyboards
Duane Atherley – bass, synthesizers, keyboards

このアルバム、なぜかApple Musicでは曲名が入れ違っている。"Home"はギター弾き語りのシンプルな2分の曲だけど、Apple Musicではなぜか"War Dance"と曲名が入れ違っている。

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