地方のスモールビジネス備忘録。「バッドプラクティス」ならではの学び。
成功事例やベストプラクティスから学んだり、ロールモデルを設定することで目標達成に近づいていくという考え方があります。このような学びは、守破離でいえば「守」にあたる、とても大事な部分だと思います。
しかし、成功例から学んだノウハウを自分の事業で試してみたものの、思ったほど上手くいかなかったという経験がある方もいるのではないでしょうか。
ある成功事例があったときに、その事例が成功するに至った理由や鍵となるポイントについて、本などの中で語られていたとしても、実際のところ、成功の本質的な要因は成功した本人ですら自信を持って定義できていない、ということは珍しくありません。
視点を変えてみる
成功した本人ですら定義するのが難しいということは、他人がそれを真似しただけでは成果が出なかったとしても仕方ありません。なので、もし成功例を勉強して試しているのに結果が出なかったとしても、全く悩む必要は無いのかなと思います。
成功例やベストプラクティスが思ったほど効果的でなかったとき、視点を変えて、失敗事例やバッドプラクティスといった、成果が出なかったケースを見てみると、自分の事業に活かせる学びに繋がることがあります。
成功例を参考にする難しさ
例えば、ハンドメイド雑貨のオンラインショップを始めたものの、期待したほど売れずに悩んでいる、という方がいたとします。恐らく自分のショップを始める前からハンドメイド雑貨が大好きで、目標とする作家さんや参考にしたいショップを研究したり、もしかするとマーケティングやブランディングについても、ビジネス書で勉強したりしたかもしれません。
人気があって成功しているショップを参考にしているにも関わらず、自分が始めたショップはなぜ売れないのか。このような視点で悩み始めると、答えを出すのはとてもしんどいです。
自分の技術が未熟なのか、商品の種類が少ないのか、ブランド名が良くないのか、ロゴが良くないのか、トレンドに寄せるべきか、ホームページをもっとお洒落にした方が良いのか、ホームページのSEO対策を頑張るのか、SNSのフォロワーが少ないのか。。。考え始めるとキリが無いですし、なんとなく自信が無くなって、ショップ運営に対するモチベーションにも悪影響が出てしまいかねません。
失敗例では「問い」が生まれる
そこで、試しに視点を変えて失敗例やバッドプラクティス、つまり「自分が見た感じ、頑張ってるけどわざわざお金を出して買うほどでは無さそうかな。」と思うくらいの作家さんやショップを探してみてはどうでしょうか。
そして、自分がなんとなく感じた違和感や残念だと思った部分について、「なぜそう思ったか」「自分だったらその部分をどうやって良い感じにできそうか」と考えていくと、自分でも気づいていなかった自分のショップの問題とその解決策が見えてくるかもしれません。
このように、失敗例を探して見てみると、自然と自分に対する問いが発生することを実感できるかと思います。「どんな違和感を感じるか」「なぜそう感じるか」という視点から見てみることで、自分の事業に活かせる具体的な学びが得られたり、アイデアが湧いてくるはずです。
失敗例やバッドプラクティスに関する本は多くないですが、インターネット上で参考になりそうな実例を見つけて、自分なりに分析することができると思います。
不思議の勝ちあり、不思議の負けなし
成功例を参考にすることのネガティブな側面を強調してしまいましたが、成功例やベストプラクティスを学んだり参考にしたりするのが悪い、という話では全くありません。
むしろ、学ぶことは「真似ぶ」というように、最初は成功例のような「理想の状態」をしっかりとイメージできるようにすることは欠かせません。とはいえ、自分で事業を始めるくらい情熱と行動力があるような方は、この部分はすでに十分過ぎるほど学んでいるかと思いますので、別の視点について考えてみるのも良いかもしれません、という話でした。
頑張って勉強して、いろいろ試しているのに思ったほど成果が出なくて悩んでいるという方はぜひ、成功事例だけではなく「もうちょっと。。」という事例を探してみると、何か得られるものがあるかもしれません。
以上、地方のスモールビジネス備忘録でした。
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