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「集客力」とはなにか?①~入場者安定度という考え方~

スポーツチームにおいて「集客力」があるクラブとは
どんなクラブでしょうか?


・常にスタジアムや球場が満員であるクラブ?
・平均して多くのファンが観戦しているクラブ?


どちらも間違いではないでしょう。
しかし、それだけでは不十分です。

「入場者安定度」という考え方が抜けているからです!


私はBリーグチェアマン島田慎二さんの著書「最強のスポーツクラブ経営バイブル」を読んで、「入場者安定度」という考えを初めて知り驚きました。


著書によると、「集客力」とは

①「平均入場者数」
②「入場者安定度」

この二軸で計測すべきと記してありました。


「平均入場者数」は皆さんも聞き馴染みがあるでしょう。

「平均入場者数」が多い程、一定のファン・サポーターが観戦しにきてくれていると言えます。


しかし、例えばこんな場合はどうでしょうか?

人気チームとの対戦で平均2万人のところ、入場者数が4万人になった。
その一方で5千人しか入らない日がある。

この場合、このチームは集客力があるといえますか?

どちらかというと不確定要素で浮き沈みするという印象ですよね。



そこで「入場者安定度」という考え方が必要になるのです。

入場者安定度とは、このように算出します。
(「平均入場者数」ー「最低入場者数」)/「平均入場者数」
低ければ低いほど、安定しているということになります。

つまり、その平均値は本当に平均なのか?
最高値に引っ張られた数字ではないか?
という「安定度」を測ることができるのです。


この二軸で考えることで、今のクラブの抱えている課題が明確になります。

例えば、こんな2チームがあるとします。

■チームA
 平均:20,000人 最低:10,000人 安定度50%
■チームB
 平均:15,000人 最低:12,000人 安定度20%


チームAの課題は「安定度」です。
常に一定の人数を集客できるような施策が必要になります。
つまり「ベース」をあげる必要があります。

チームBの課題は「平均値」です。
安定してきてくれるということは根強いファンがいるということです。
このファンに喜んでもらいつつ、新たなファンを呼び込む必要があります。
つまりベースと最高値の差分を「埋める力」が必要です。


このように、「平均入場者数」という考え方に「入場者安定度」という考えを取り入れることで、チームの課題をより明確にして、打ち手を検討することができるのです。



この二軸が高いクラブを「集客力がある」クラブといいます。

そして、このようなクラブは、次に満員率(満員の試合が年に何回あるか)を高めます。

満員率が100%に近づいたら、更にスタジアムの席数を増築するなどに向かってそのキャパシティを増やしていくのです。



普段何気なく使ってしまう「集客力」ですが、
言葉で定義し、測定することでより具体的に考えることができますね。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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