見出し画像

第22章 せいれい の たーん

恐怖は、たいへんな天邪鬼である。来てほしくない時にはしょっちゅう顔を出すのに、求めている間は絶対に寄ってこない。

僧侶「自律神経の乱れは、命令している脳が悪いのでしょうか。

勇者「そうですね。やはり1番は脳の課題でしょう。脳にある危機対策マニュアルに、過剰反応な対策が刻みこまれているのだと思います。その対策に従うと、ささいなことにも過敏に反応し、がんがんいこうぜ、と全身に指示してしまうのです。まるで、弱いモンスターにも最上級魔法を放ってしまう、おマヌケなAIのようですね。」

僧侶「えいあい?なんですか、それ?」

勇者「あ、失礼。さとりのしょによれば、AIとは、人が作りし知能の事で、異世界の民は、これを作り、いろいろな仕事を代わりにさせたりしているそうです。」

僧侶「へえ、まるで創造神のようですね。案外、我々もその民に作られたAIだったりして。クスクス。」

勇者「ははっ、案外、本当にそうかもしれませんね。」

僧侶「もし、そうならとっとと脳の対策マニュアルなるものを作り直してほしいんですがね。」

勇者「そう、まさに対策はそれです。脳のマニュアルを作り直すのです。でも神々や異世界の民に頼るのではありません、作り直すのはあなた自身です。

僧侶「私が?そのマニュアルがどこにしまわれているのかも自覚がありませんが、勇者様がおっしゃるならきっとできるのでしょうね。どうやるのですか。」

勇者「はい、ところで、僧侶さんは魔法を使えますよね。ちなみに炎魔法は使えますか?」

僧侶「学生時代に習いましたね。5段階評価で4くらいですから、まあまあでしたね。それ以上に即死魔法が得意だったので僧侶を目指すことにしましたが。」

勇者「ふむふむ。炎魔法を使うために、どうしたらよいかを習いましたよね。覚えてますか?」

僧侶「えーと、久しぶりなのでなんだったかな、、まずは炎を見たり身体に近づけて温度を感じることからはじめ、その後は、たしか、イメージが大切でしたね。炎がメラメラ燃える映像を思い出して、全身を覆う熱が指先に集まるイメージをして、最後に詠唱します。炎の精霊よ 我との盟約のもと 眼前の敵を 焼き尽くせっ、、!」

ボッ!!

勇者「熱っっ!!!てめっ、、僧侶さん!」

僧侶「す、す、す、すいません!出ちゃいました!ごめんなさい!」

勇者「気をつけてください!」

僧侶「本当に、す、すいません、久しぶりだったものですから、、あの即死魔法なら大丈夫です、慣れてますから、こう、地獄からくる血泥の匂いを思い浮かべ、詠唱します。冥府より呪縛を解き、我の眼前の、、」

勇者「や、やめろっ!!」

[攻略の手引き]

魔法を放つ時は周りをよく確認すること。
仲間にもあたるから注意!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?