見出し画像

第11章:ひめ の たーん

人が何かを実行できない時、それは実行しないと決意しているからだ。僧侶は、自分自身で、今の状況を作り出してきたのだと痛感した。よもや自分が、希望を残すために、変わる事を拒否していたとは。

僧侶「私は今の人生を変え、幸せをつかむことができるのでしょうか。

勇者「はい。必ずなれますよ。」

僧侶「具体的にはどのようにすれば良いのでしょうか。先程、性格には良い面と悪い面の両方があるという話がありましたが、もはや何を目指せば良いのかすら、わからなくなってきてしまいました。」

勇者「今一度考えてみましょう。どんな状態になっているとあなたは幸せといえるでしょうか。そもそも、あなたは今、不幸せな状態なのか。もしそうなら、なぜなのか。

僧侶「うーん、不幸せだとは思います。まず、明らかなのはこの不安障害のような症状、日々つらく、なくなってほしいと常に思っています。」

勇者「なるほど、不安障害のような症状が治れば幸せになりますでしょうか?」

僧侶「それは、、最低限のところですね。そもそも、不安障害の原因になった、さまざまなストレスからの解放でしょうか。あ、原因でなく、目的でしたね、、、、あれ?」

勇者「どうしました?」

僧侶「いえ、、、なんか、こう、考えが繋がってきがしました。私は不安障害になっています。これも目的があって不安障害になっているということではないですか?」

勇者「ふむ。続けてください。」

僧侶「なぜ、不安障害になったか。それは、私自身が生き方を変えるという目的で、最大級のアラートを発しているわけですよね。その前の、ストレスを感じる、これも、ストレス要因を避けるという目的のために嫌な感情を作り出しているわけですね。」

勇者「いいですね。核心に近づいていると思います。」

僧侶「私が幸せになるには、まず最低限、不安障害の症状はなくしたい、回復したとしても、不安障害の元となるストレスがある世界では、また不安障害になるかもしれない。でも、ストレス自体を無くす事は難しい。では、どうするのか。」

勇者「はい。」

僧侶「環境を変えようとしても簡単にはいかない。モンスター(ストレス)の攻撃をものともしない強靭な防御力か、さっとかわせる回避力を身につけるんだ。と、いうことですよね。」

勇者「その通りです。では、あなたを攻撃してきたモンスター、つまり、ストレスはどんなものでしたか?」

僧侶「ストレスを感じていたのは、、、まあ、仕事(パーティーでの活動)でしょうか。」

勇者「具体的にはどんなところがストレスでしょうか。」

僧侶「そうですね、、、なんでしょう。忙しく時間に追われていたり、ミスをしてしまうと周りに迷惑をかけてしまうのではないかと、常に緊張してしまっている気がします。」

勇者「よくわかります。では、時間に追われているとおっしゃっていましたが、それなら、サボってしまえばよいのではないでしょうか。」

僧侶「その場合もやはり、周りに迷惑かけてしまいます。」

勇者「なぜ、みんなに迷惑かけることに、あなたはストレスを感じるのでしょうか?」

僧侶「なぜ、、うーん、その結果、怒られたり、、、幸い私の職場では、絵に描いたようなパワハラは受けてないですけどね。なんか、あいつは使えないやつだと裏で言われたりしたら嫌だなと思います。それが怖いです。」

勇者「ありがとうございます。あなたのストレスの根幹は何か、何を恐れているかが、わかりましたね。」

僧侶「ええ、”人に良く思われたい、悪く思われたくない”、ですね。誰かに認められたい。尊敬される勇者に、地位のある大僧正に、慕われるお姫様になりたいと考えており、これが実現出来ないことを恐れています。」

勇者「そう、いわゆる承認欲求です。」

僧侶「承認欲求、、聞いたことはあります。」

勇者「大賢者アドラーは、すべての悩みは対人関係の悩みだとまで言っています。この承認欲求を捨て去ることこそ、あなたの悩みをなくし、幸せへと導く、しあわせのくつなのです。」

[攻略の手引き]

□しあわせのくつ そうび
・・・履くことで承認欲求を捨てることができ、幸せに導かれる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?