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後藤泉 ピアノリサイタル 「ベートーヴェン~リスト編曲 第九」(2019/12/21)

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『後藤泉 ピアノリサイタル 「ベートーヴェン~リスト編曲 第九」』に伺いました。(2019/12/21@JTアートホール アフィニス

後藤泉さんは、桐朋学園大学音楽学部ピアノ科卒業。ウィーン・フィルの首席奏者と数多く共演、ペーター・ヴェヒター(第2ヴァイオリン首席)、フリッツ・ドレシャル(首席チェロ)、ウェルナー・ヒンク(元コンサートマスター)、と定期的に共演を重ね、ダニエル・ゲーデ(元コンサートマスター)ほかとも共演。ゲヴァントハウス管弦楽団、カール・ズスケ(元コンサートマスター)、ユルンヤーコブ・ティム(チェロ首席)、ベルリンシュターツカペレのマティアス・グランダー(クラリネット首席)とも数多く共演。 小林研一郎ならびに、井上道義指揮の新日本フィルなどと協演。またNHK文化センター青山教室、横浜教室でのレクチャーコンサートなど幅広く活躍をしています。

この日のコンサートは前半にベートーヴェンのピアノソナタ第23番「熱情」、後半にリストが編曲したベートーヴェンの交響曲第9番が演奏されました。

「熱情」における圧倒的な感情の起伏は、この作曲家の偉大さに迫る感動的な演奏でした。「第9」は本来オーケストラのための曲でピアノでは収まらないスケール感が冒頭から漂います。ピアノ版で聴くと音楽の芯をつぶさに感じとれ、これまでと違った感覚で向き合うことができました。特に3楽章での流麗な後藤さんの音楽表現は見事で、最も美しく印象深い瞬間でした。第4楽章はシラーの「歓喜に寄す」の精神が満ち、リストの編曲も劇的かつ華やかで、後藤さんの決然とした演奏はシラーの詩「この世界でたとえ一人でも人の心を勝ち得たものはともに喜ぶのだ!」の一節がまさに響いているようでした!

皆さんもぜひコンパスを使ってコンサートをお楽しみください!


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