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第11回 レーズン派の音楽館 フルートデュオ演奏会 朗読とフランス音楽(2019/8/4)

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『第11回 レーズン派の音楽館 フルートデュオ演奏会 朗読とフランス音楽』に伺いました。(2019/8/4@やなか音楽ホール)

レーズン派フルート・デュオはフルーティストの陸井鉄男さんと勝俣敬二さんによるデュオです。陸井さんはこれまでにヨーロッパ各地の音楽祭や日本国内で活発に活躍中。ハーゲン市立マックス・レーガー音楽院およびエッセン国立フォルクバング芸術大学の講師を務めています。勝俣さんは東京バッハ・カンタータアンサンブルの奏者でもあり、聖アンセルモ・グレゴリオ聖歌隊指揮者で国内とヨーロッパで活躍中です。

プログラムは全てフィリップ・ゴーベールの作品で統一。ゴーベールはフランスで活躍した作曲家であり、フルートの名手と言われた人です。前半は抒情画家の蕗谷虹児が巴里留学時代にまとめた詩篇を押切圭子さんによる落ち着いた心に響く朗読を交え『東洋の子守歌』『祈願(尼僧の踊り)』『マドリガル』『ギリシャ風喜遊曲』『タランテラ』を陸井鉄男さんと勝俣敬二さんのフルートで演奏されました。二人の緻密な解釈が曲にカラーを加えていくのが見えるような素敵な演奏でした。

後半はゴーベールとても珍しいヴァイオリンソナタをディヴィッド・ニヴァさんが演奏しました。ニヴァさんはシカゴ出身。コロンバス交響楽団のアシスタントコンサートマスターでもあり、コロンバス美術館での室内音楽会の音楽監督も務めています。ニヴァさんのヴァイオリンの音色はとてもやわらかい響きで、この曲の粋と憂いが交錯する世界を表していたように感じました。最後は陸井さんの演奏でフルートソナタイ長調が演奏されました。滋味な玄人向けの曲ですが、フランスの庭園の静かな午後の情景を切り取ったかのような印象的な曲で、心に残る演奏でした。ピアノ伴奏はオハイオ・ヴェズレヤン大学准教授の金田真理子さんでした。ソロ楽器との間合いが絶妙で、ソロ楽器が描くゴーベールの世界感が伝わる素晴らしい演奏でした!

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