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L'espace String Quartet with Ⅳ(2019/12/13)

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『L'espace String Quartet with Ⅳ』に伺いました。(2019/12/13@旧奏楽堂)

L'espace String Quartet(レスパス弦楽四重奏団)は桐朋学園出身の室内楽好きな仲間が結成したカルテットです。L'espaceはフランス語で「空間」を意味します。サントリーホール室内楽アカデミー第3期フェロークァルテットで、関東をはじめ、全国各地で演奏活動を行っています。メンバーはヴァイオリンが鍵冨弦太郎さんと小形 響さん、ヴィオラの福井 萌さん、チェロの湯原拓哉さんです。

プログラムはハイドンの弦楽四重奏曲第74番「騎士」、ヤナーチェクの弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」、クラリネットの西崎智子さんが加わったブラームスのクラリネット5重奏曲でした。

コンサートの際には必ずプログラムに取り入れているというハイドン、この日は「騎士」が取り上げられました。深みと軽やかさが伴う冒頭の演奏がまず印象的で、ハイドンの偉大さ、弦楽四重奏の奥深さを感じました。4楽章での力強さ、ギャロップを連想させる躍動感を表すセンスがひかり、続くプログラムへの期待が膨らみました。

ヤナーチェクの「クロイツェル・ソナタ」はトルストイの同名の小説をモティーフに嫉妬、恋愛、悲劇的心理描写が凝縮された音楽です。1楽章の印象的な出だしが抑制的に演奏され、まずこの表現力に圧倒されました。個々のパートの主張が絶妙で、4楽章でのヴィオラの旋律歌わせ方など、様々な部分で歌に溢れた演奏でした。

ブラームスのクラリネット5重奏曲はブラームスの晩年の境地が込められた傑作です。ヴァイオリンの繊細な響きに始まり、クラリネットの温かみや時に諦念がにじむ響きの表現力は特に素晴らしかったです!

会場は上野の旧奏楽堂で、由緒ある空間で最高の演奏に触れることができ、とても素晴らしいひと時でした!

皆さんもぜひコンパスを使ってコンサートをお楽しみください!


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