Duo Axia デュオリサイタル Vol.6 in 東京(2020/2/19)
『Duo Axia デュオリサイタル Vol.6 in 東京』に伺いました。(2020/2/19@渋谷ホール)
Duo Axiaはベルリン芸術大学で学ぶピアニストの伏木唯さんとチェリストの山口徳花さんにより、2017年に結成されたデュオです。”Axia”とはギリシャ語で”価値あるもの“という意味です。
伏木唯さんは東京藝術大学を卒業後ヒンデミット財団奨学生、文化庁新進芸術家海外研修生として、ベルリン芸術大学にて研鑽を積み、現在は国家演奏家資格過程に在籍中。チェロの山口徳花さんは第16回KOBE国際コンクールで優秀賞受賞。東京芸術大学卒業し、ベルリン芸術大学で最優秀で卒業すると同時にヒンデミット財団、DAAD財団等の奨学生として大学院修士課程で研鑽を積み、現在は東京を拠点にフリーランス奏者として活動しています。
Duo Axiaはベルリンですでに4回の公演を重ねており、今回で6回目の公演となります。プログラムのテーマは「作曲家の人生のターニングポイント」。ベートーヴェンが円熟期を迎え、より深く自身の内面に向き合う曲を作り出した時期の『ピアノとチェロのためのソナタ第4番』、フランクが長いスランプを経て書き上げた傑作『前奏曲・フーガと変奏曲』、ドヴォルザークが新天地アメリカに向かうにあたって作曲された『チェロとピアノのためのロンド』、プロコフィエフの抒情性が発揮された『チェロとピアノのためのソナタ』が演奏されました。
今年はベートーヴェンの生誕250年にあたります。二人の演奏するベートーヴェンのチェロソナタは力強さと歌心が備わっていて、グッと引き締まった峻厳なベートーヴェン像を浮かび上がらせました。緊張感を備えた素晴らしい演奏の後、伏木さんのピアノソロ演奏で、フランクの天国的でロマン的な響きを堪能。後半のドヴォルザークではスラブ的な郷愁ある音楽と演奏に魅了されました。Duo Axiaの二人は旅行でドヴォルザークが住んでいた家に実際に訪れ、作曲家が存命中の佇まいであるかのような素朴な環境に触れたとのことでした。そのような体験が演奏にも表れていたような気がしました。最後のプロコフィエフのチェロソナタは、山口さんの歌心に満ちた表現と激しいピッチカートを伴う強靭さの対比、伏木さんの鮮烈な打鍵など、とても刺激的瞬間に満ちた素晴らしい演奏でした!
皆さんもぜひコンパスを使ってコンサートをお楽しみください!
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