對馬佳祐 ヴァイオリンリサイタル 〜フランス音楽の夕べ〜(2020/1/17)
『對馬佳祐 ヴァイオリンリサイタル 〜フランス音楽の夕べ〜』に伺いました。(2020/1/17@東京オペラシティ リサイタルホール)
ヴァイオリニストの對馬佳祐さんは、東京藝大を経てパリ国立高等音楽院ヴァイオリン科を首席で卒業。同音楽院修士課程室内楽科修了。第8回江頭俊哉ヴァイオリンコンクール第1位。2010年フランス・バッハ国際音楽コンクール第1位。2014年リヨン国際室内楽コンクール・デュオ部門にて最優秀現代曲賞受賞。2016年ルーマニア国際音楽コンクールにてグランプリ(全部門最優秀賞)受賞。2016年までパリ音楽院管弦楽団のコンサートマスター。現在はソロ演奏のほかに、N響団友オーケストラの客演コンサートマスター、ヴィルタス・クヮルテットや東京バロックプレイヤーズのメンバーとしての活動も行っています。
共演したピアニストの内門卓也さんは、東京都立藝術高等学校音楽科ピアノ専攻を卒業。その後作曲にも取り組み、東京藝大作曲科を長谷川良夫賞、アカンサス音楽賞を受賞して卒業、同大学院修士課程を修了。これまでに室内楽や伴奏を数多く手がけ、国内外の多くの著名アーティストと共演しています。
プログラム前半はサン=サーンス「アンダルシア奇想曲」、フォーレ「アンダンテ」、プーランク「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」が並びました。冒頭から高い集中力と艷やかな音色に耳を奪われました。サン=サーンスは高度なテクニックで見事に弾きこなし、フォーレはしっとりと歌い上げる。ヴァイオリンを弾きながら時折見せる對馬さんの笑顔が印象的です。プーランクのソナタではホールに響き渡る音量、気迫あふれる演奏にブラボーの声が沸き起こりました。
サン=サーンス:アンダルシア奇想曲 作品122
(對馬さんのYouTubeチャンネルより)
後半はマスネ「タイスの瞑想曲」、メシアン「主題と変奏」、ラヴェル「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」の3曲。よく知られたマスネの美しい旋律に浸り、メシアンでは高音域が連続する緊張度の高い楽曲でした。よく通るヴァイオリンの音色と内門さんの多彩なピアノが相まって非常に浸透力のある演奏でした。プログラム最後のラヴェルのソナタでも全く集中力を切らさず、詰めかけた聴衆が固唾を呑んで聴いている様が伺えました。
メシアン:主題と変奏
(對馬さんのYouTubeチャンネルより)
アンコールはメシアン「世の終わりのための四重奏曲より最終楽章」。緊張感が持続し、どこまでも美しい圧巻の演奏でした。
コンサート全体を通して、對馬さんが提示する世界観に会場全体が支配されたかのような印象を持ちました。そして、對馬さんはこれだけの楽曲をすべて暗譜で演奏したことにも驚きました。素晴らしいコンサートでした。
皆さんもぜひコンパスを使ってコンサートをお楽しみください!
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