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小海苔書店-conoli books-
2023年10月20日 19:56
平日の昼時の公園は、赤ちゃん連れの母親たちと入れ替わるように、サラリーマンやOLのランチタイムに占領されていた。 会社の近くにあるこの公園に、明日香も例に漏れず自作の弁当を持参し毎日来ていた。 ひと気のないトイレ脇のベンチは、明日香の特等席で、そこへ腰掛けると、程なくして携帯が鳴る。「あーちゃん、もういる?」 毎日きっかり12時10分に同じセリフでかかってくるその電話に、明日香も
2023年10月20日 07:33
まるで統一性のない物たちと、それを品定めする人間との隙間を縫って先へ進むと奥の衣類コーナーでソレは一際目を魅いた。 明日香は思わず値札に手を伸ばし、食い入る様にソレを値踏みする。「何か見つけた?」後ろから夫の信二がデジカメとプリンターを抱えて明日香に話しかける。「それ、必要?」信二の手元を見てすかさず明日香が言うと、「めっちゃ安いよ!あーちゃんとの思い出いっぱい撮れるし!あ