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忘れ物市

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電車内に忘れられた様々な物達が売られている「忘れ物市」に並んでいたウェディングドレスに想いを馳せた人間達の物語。 心の片隅に、忘れていた思いがありませんか。 -恋愛オムニバス小説…
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#オムニバス小説

明日香と信二2

明日香と信二2

 平日の昼時の公園は、赤ちゃん連れの母親たちと入れ替わるように、サラリーマンやOLのランチタイムに占領されていた。

 会社の近くにあるこの公園に、明日香も例に漏れず自作の弁当を持参し毎日来ていた。

 ひと気のないトイレ脇のベンチは、明日香の特等席で、そこへ腰掛けると、程なくして携帯が鳴る。

「あーちゃん、もういる?」

 毎日きっかり12時10分に同じセリフでかかってくるその電話に、明日香も

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明日香と信二

明日香と信二

 まるで統一性のない物たちと、それを品定めする人間との隙間を縫って先へ進むと
奥の衣類コーナーでソレは一際目を魅いた。

 明日香は思わず値札に手を伸ばし、食い入る様にソレを値踏みする。

「何か見つけた?」

後ろから夫の信二がデジカメとプリンターを抱えて明日香に話しかける。

「それ、必要?」
信二の手元を見てすかさず明日香が言うと、
「めっちゃ安いよ!あーちゃんとの思い出いっぱい撮れるし!あ

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