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嘘のようなホントの話。お客様は選んでいい。

こんにちは。
ハンドメイド作家のコノカです。
今回は、嘘のようなホントの話をしたいと思います。

お客様は神様なのか?

お客様に好かれたい思いから、
どこまで期待に応えればいいか迷ってしまう方に
私の体験談をお話ししようと思います。

読み終わる頃には、お客様の無理難題を断ろうと思えるはずです。

お客様に疲弊していたこと

自分の作品に共感してくれるお客様が、
神様のように見えていた時期がありました。


ただの主婦の作品にお金を出そうと思ってくれる、
お客様は奇跡の人。

でも、神様だと思っていたお客様に、疲弊したことがあります。

ハンドメイド作家は、時に著作権違反の注文や無謀なお願いをされることがあります。

あのキャラクターで作ってください。
あの生地で縫ってください。
ここはフリルで、この作家の写真のように作ってください。

私たちはお客様のいいなりでいいのでしょうか。
いいなりで作る作品は、自分の作品なのでしょうか。

「売れてないんでしょ?買ってもらって嬉しいでしょ?」と、
足元見られていないでしょうか。

お断りするやりとりが苦しいし、疲弊してしまいます。

私の場合は、発送の交渉が多いです。

受注から7日後発送のスケジュールに対し、無謀な短時間で依頼されることがあります。
前もって相談された場合は、スケジュールで判断して対応していました。
私の「7日」は、土日はしっかり休んで、子供に予定や急な風邪に対応するための余裕をもっているからです。

困ってしまうのは、購入したついでに備考欄に「明後日に届けてください」と記載される場合。

宅急便は送料が少し高めで、すぐ届く。
郵便局の定型郵便は送料は安価で、時間がかかる。
(その上、土日祝に配送されないので1週間待たせることも)

頑張ればできる要望に対して、価格が見合っていない時。

自分のコスパが悪いと感じた時、過去に経験したことが初めて役に立ちました。
当時、消費者である私は理解できていなかった、販売者になって気付けた思い出話です。

銀座のハイブランドの本店巡り

天国の偽装デート研修

私が最高のサービスにふれたのは、24歳のころ。
勤めていた会社で、研修がありました。

場所は真夏の東京。
年齢差がバラバラな30人が、日本中から集められました。

服装に指定はなく、tシャツにサンダルの青年からスーツ姿のおじさんもいました。
おじさんは汗をかきながら、東京に来てくる服がないから、と汗を拭いていました。

私たちは中途採用された同期でした。

人事は私たちを銀座に連れてきて、

最高クラスのサービスを受けてきてください

と研修内容を明かしました。

ーミッションー
ハイブランドのショップを数人のグループで巡って、
ディスカッションをしよう!


カルティエや、ティファニーなどに縁のないまま生きていた私には、本店となると恐れ多く異世界に思えました。

でも、この日の私は強運を発揮しました。

強運1 : 銀座に勤めていたので街に慣れていた
強運2 : ペアのお兄さんが元モデルのイケメンだった

楽しい偽装デートの始まりです!

目的もなくハイブランドの本店に入れば、挙動不審になってしまうと予想し、
婚約指輪をリサーチしにきたカップルの設定で入りました。

楽しい偽装デート!(2回目)


店舗に入ると、綺麗なスーツの女性がピッタリついてきます。

ジュエリーを見ながら、どんな目的か、私たちの関係など聞いてくれます。

元モデルの彼氏(偽)が、それはそれはイケメンだと褒められてました。

最終的に、奥のVIPルームに案内され、冷たくて美味しいドリンクとお茶菓子。

この時の私は
「イケメンって、こんなにイージーモードな人生を送っているのか!」
と、ダイヤのカットの仕組みや質について教えてもらいながら、考えていました。

これを3、4店舗繰り返し、夕方にはクタクタでした。

偽装デート研修編終わり!
でも、ハイブランドはイケメンだからちやほやしてくれたわけじゎなかったと、後々知ることになります。

ハイブランドの女性店員からは、
「このカップルは一生に一度の婚約指輪を見にいている!」と判断してくれていたのでしょう。

地獄のディスカッション

研修室に戻り、ディスカッションが始まります。

「いい経験ができたね」と浮かれて戻ると、研修室は不穏な空気です。

どうしたの?
喧嘩したの?
いい体験し損ねたの?

「なんなんだよ、今日は。最悪だ!」
「あの田村(仮)ってスタッフ、ムカつく!」

田村(仮)さんは、私たちを営業してくれた親切な女性でした。
お怒りメンバーは、どうやら、話しかけてもスルー、されたようでした。

入り口から「どうぞこちらへ」と案内された先が裏口だったというのです。

入店を止められて、入れなかった人もいました。

そんな漫画みたいな話ある?
いい体験をしてきたこともあって、耳を疑いました。

大半のメンバーが研修のミッションをこなせなかったなんて、信じられない!

こなせたのは、スーツのおじちゃんと色っぽいお姉さんのペア。
そして、私たちでした。

服装のTPOを見られていたのです。

いい服着ててよかった!

Tシャツや短パンなど、場にそぐわない人は、お客様認定されてなかったのです。


「お店は公平に扉を開いていないの?」

「お客様を見た目で選んでも、財布の中身はわからないのでは?」

「誰が買うかわからないじゃないか!」

何も理解していない24歳の私よ、十年後に売り手となったときにやっと理解ができるよ。

でも、本当にあったおはなし。
これが真実。

当時、この体験をさせてくれた人事は天才かと思いました。

私の知らない世界を教えてくれたからです。

この研修がなければ、ハイブランドのジュエリーに興味を持たなかった。

私の人生にジュエリーはなかった。
(今、何も飾らない子育て母ちゃんですが、、、)

そして、お客様は差別していい。

リピーターさん、セットで高額なお客様は、手厚くしていい。

お客様を選ぶ立場でいることで、「高い」「値下げして」と言われても、うちのお客様ではないとお断りして良いのです。

是非、体験してほしい

私は体験に価値を感じる人種なようで、その後、夫にも同じ体験をさせたい!
強い想いで銀座へひっぱっていきました。

婚約指輪を買うなら銀座本店で!

夫はめんどくさがりました。

「デパートに入っているハイブランドでいいじゃん。」

違うんだって!
完全に異世界なんだって!

異世界に踏み入れたことがある人生と、ない人生。

ひとつの経験が自信になる。

自分の商品のジャンルの、最高峰の商品をベストな環境で手に取ったことはありますか?

プロフェッショナルから営業をしてもらったことはありますか?

私が知っているスタッフは、30万の指輪も、60万の指輪もつけさせてくれた。

(手が震える)
自信満々に商品を愛して、私の話を聞いてくれた。

「高いよねぇ」なんて共感は、絶対しない。

お客様を選んで良い


ハイブランドは人を選んでいる。

振り向いてくれた人、皆がお客様じゃないの?

半信半疑だったまま、10年以上が過ぎました。

買い手の立場しか知らなかった頃とは違い、売り手の立場になって見えてくるものがあります。

私達は選ばれる立場です。
似た商品で比較され、価格を見比べ、口コミを見て、、、
ドキドキと縮こまってしまいそうなときは、私たちもお客様を選ぶ立場でいることを思い出してください。
「高い」「値下げして」と言われて、傷つかなくていいのです。
うちのお客様ではない、と判断して良いのです。
丁寧にね。

今は、お客様ではないだけかもしれない。

対応できなかったけれど、それでもほしい!と言ってくれるお客様へ届けていないと、心が疲弊して続けることができません。

大好きなハンドメイドが嫌いになって、やめたくならないために。

おわりに

負担になることは断るようにしています。
断る断る言い続けてきましたが、やれるときは対応しています。

なぜなら、私は誰かの役に立ちたくてハンドメイド作家のお仕事をしているからです。

直接、ありがとうと言葉をもらえる喜びはモチベーションです。

私はまだまだの技術なので粗品ですが…」と思ってしまったら、お客様に「お役に立てましたか?」と心の長で問います

私は素敵な体験をすることができました。

まずは、テロテロのTシャツにGパンにサンダルで銀座のハイブランドの本店を訪問してみてください。

そして是非、感想をお聞かせくださいね!
またね!


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