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子育てに「正解」はなかった話

これまで、雑誌や書籍で育児本を作ってきました。でも実際、子どもを育ててみて「本当に役に立ったな」と思える情報は少ないと思っています。なぜならば「正解がないから」です。

そのことに気づくまで、だいぶ時間がかかりました。

■不安だからこそ

・生後1ヶ月単位の成長や生活リズム
・離乳食のはじめかたと進めかた
・知育やおけいこ
・入学前までに勉強しておくこと
・教育資金の準備

親も初めてのことばかりです。だから、なおさら「正しい情報」が欲しくなります。「正しいとされる平均値」と「自分の状況」を比較しては、「自分は間違っていない安心感」を求めるのです。

自分もそうでした。

■平均値は正しいのか?

そんな育児のお困りごとを抱えているママやパパに向けられた、子育て情報の中には、子どもの生命に関わる情報も多分に含まれています。
たとえば、離乳食です。
わが家の長女は、小麦と卵のアレルギーありました。ですから、食べさせるタイミングや食べさせ方はとても勉強になりました。いっぽう3番目の息子は、まったく食べたがる様子がなく、1歳まで母乳で過ごしました。

また、ハイハイも歩けるタイミングも、おむつが取れる時期も、3人ともにバラバラでした。そして、いちばん印象的だったのが「言葉を発する時期」です。同じように育てましたが、次女は2才近くまで話しませんでした。

育児書に書かれている情報は「あくまで目安」くらいの感覚でいいと思います。

■安心を与える情報は、場を共有することで生まれる

だいぶ昔の話になります。15年前、長女が生まれたときのことです。当時、住んでいた地域で、区が開催するプレママさんの集まりがありました。もしかすると「産後ママ友さんが作れるかも?」参加してみたんです。おかげで、ひと足先に出産した先輩ママさんから、出産のたいへんさや、里帰りの話を聞いて、とても心強かったことを今でもおぼえています。

そしてなにより、いちばん助かったのが産後の「ママ同士の集まりの場」です。家の中で、赤ちゃんと二人っきりになると、話す相手もいませんし、どうしても辛くなります。そんなときは、プレママ会で知り合ったママ友さんたちに気軽に連絡をとりました。

「たいへんなんだけど、みんなで集まりませんか?」

みんな同じ状況です。
寝不足だし、ミルクの用意も大変だし、おむつを替えてもすぐうんちする。でもその集まりこそ、リアルで貴重な情報交換の場でした。リアルな温度感、お互いの共感が根底にあったからこそ、その場で得た情報はとても貴重でしたね。

■あふれる情報は他者比較を生む

子育て真っただ中にいると、体力的にも精神的にも限界です。はっきり言って本を読んだりSNSを見る時間もありません。毎日赤ちゃんが元気でいてくれれば、きょう一日が終われば、それでいっぱいいっぱいです。

でもある程度大きく成長したとき、情報を求めたくなる時がやってきます。
・知育やおけいこ
・入学前までにおぼえておくこと
・教育資金の準備
のような、子どもの教育に関わってくる情報を知りたくなる時期がやってきます。

でも自分の経験を振りかえってみますと、隣の芝生は青く見えるばかり。そのうち、知らずしらず他人軸の考えに変化していきました。自分が心から望む「どんな子どもに育ってほしいのか」を考えられなくなるのです

■やっぱり「どんな子どもに育ってほしいのか」ぶれない軸が必要

今では長女は中学3年、次女は小学6年、長男は6才になりました。上のふたりのお姉ちゃんたちは中学、高校と受験する予定です。いろいろ、学習塾やおけいこにも通いました。長続きしなかったものもあれば、思いもかけず勉強に励む時期もあったりしました。

なんだかんだで、子育ては子どもの数だけ方法が違いますね。それに成長とともに、親も子どもたちも精神的に変化しますしね。だからやっぱり、子育てに正解を求めてはいけないんだと思います。

どうしても答えが欲しくなったとき。

それは「いったん立ち止まって考えるタイミン」と思えばいいかもしれませんね。もちろん私も日々考えています。子どもが何才になろうと、みなさんといっしょです!

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