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イギリス一周一人旅をしていた時に不良グループに絡まれた話

23歳のとき、

イギリスを一人旅で一周した。

旅の途中、

治安の悪い町で電車を待っていたら

地元の不良グループに囲まれて、

金を出せと絡まれた。


しかし、

当時の私は本当にお金がなかった。


リュックの背中に面している部分にファスナーが付いていて、

そこのポケットにありったけの現金を忍ばせていたが、

これを失えば

遠い異国で完全に路頭に迷うことになる。

そのことを考えると、

目の前にいる質の悪い不良たちに

脅されたところで、

何ともなかった。


こんな僻地に一人で来た時点で、

自分でも驚くほど覚悟か決まっていたのかもしれない。



「金はない」

私が彼らに言えることはその一言だった。


それに、

それにだ。


よく考えてみたら、

リュック一つで外国の片田舎をウロウロしている私と、

日が暮れれば晩ご飯が待っている我が家に帰れるお前たち。


どっちの立場が恵まれてる?

どう考えてもお前たちだろう。


そう思うと、

お金を与えるなんて

ますます馬鹿らしく感じた。


こうやって一貫して冷たい態度を決め込む作戦で

無事に彼らを蹴散らすことができた。




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