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美容師を長く続けてきたことの思わぬ副産物

美容師になって早くも四半世紀が過ぎた。


「美容師を続けている期間が長い」ということ、

それ自体が武器になると思う瞬間は、

20年ほど前に流行ったヘアスタイルがリバイバルされて

注目を集め始めたとき。



そのヘアスタイルは

かつて自分が若くてノリノリの時期に

作り込んできた経験があるので、

トレンドに自分の感覚を乗せやすい。


例えば今トレンドの、

ミディアムボブを外ハネに巻いて、

韓国っぽい仕上げにするスタイル。


これはゆるふわに巻いた毛流れが見せ場なのだが、

顔まわりを外巻きにするこの感じは、

80年代の終わりから90年代の中旬ごろの、

いわゆるアイドル全盛期の時代にも流行った。


逆に言えば、

2000年代に入ってからは

「古臭くてダサい」とされていたヘアスタイルだ。


でも90年代から美容師をしている自分にとっては

なじみがあり、

「このヘアスタイルのどこが可愛く見せる“見せ場”なのか」

をキャッチしやすい。


もちろん、

昔に流行ったそのままの形ではなく、

昔のテイストを含めつつ、

今っぽいシルエットに変化しているので、


昔のまんまを再現してしまうと、

今の若者にはウケないのだが。



最近美容師になった人たちにとっては、

今流行っているヘアスタイルに出会うのは

初めてのことだが、


私のように昔からやっている人間にとっては、

こうして

トレンドがぐるっと一周して

人気を再燃させたヘアスタイルに出会うのは

2回目となる。


「初めてだけど馴染みがあり、

知ってるけど知らない」

という、不思議な感覚だ。

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