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鳩山ニュータウンからの学び

コロナ禍を理由に、海外留学が中断。それでは、と思い「郊外留学」と銘打って飛び込んだ鳩山ニュータウンを、先週引っ越しました。
はとやまハウス(建築学生時)を経て、自ら家を借りてシェアアトリエniu(社会人)を立ち上げ、たくさんの人の協力のおかげで、大変濃い3年間を過ごすことができました。
総じて、「人間力」に磨きがかかった時間だったと自負しています。

ハウス(2020-21)では、コロナ禍真っ只中であったこともあり、逆説的に家の周り、特に庭を起点にいわゆる横文字の「コミュニティ」について考えることになりました。学生という身分ゆえ、高齢化したまちでは「動き」がダイレクトに周辺の「連関」につながり、それがモチベーションになりました。

コロナ禍で余暇があり、同居人と始めた庭の手入れ
庭を起点とした周辺住民との連関

そこで同居人であった永田さん(当時、建築学生)と「運ぶ受付」プロジェクトを企画・設計・運営。歩いていける距離に全てが集約されるニュータウンという特性を活かし、(協力いただけた)住民の家の余剰空間をお借りし、ニュータウン内に活動ができるスペースを暫定的に浮かび上がらせるような実験をしました。

「運ぶ受付」プロジェクト
活動の記録(美容室たんぽぽ前で停留時)
活動の様子(美容室たんぽぽ前で停留時)
移動経路マップ(20.09.06-27)

徒歩圏に共有しうる余剰があること。それを"暫定"から""にしようと、自ら空家の戸建を借り拠点を作ろうと思いました。そこでアーティストの花岡さんや活動的な学生の山川さんに協力頂き、"生活"を起点にニュータウンの余白、共有の空間について考えることにしました。

シェアアトリエniuのフライヤー

広いリビングを活かしアトリエ的空間を立ち上げました。
それがシェアアトリエniu(2021-22)です。
実質的にはシェアハウスですが、特に'21年は花岡さんと共に、生活の場を活用した動的な実践ー展示「絵の置かれたリビング」や都市から離れる郊外性を軸としたグループ展「work on#1」を開催頂きました。

絵の置かれたリビング

シェアアトリエniuは'23年3月をもって終了しましたが、関わった方々と何か継続できればと思っています。
活動後のアーカイブが大変だろうと同時並行で作っていたのが、
『ZINE .plan』です。
シェアアトリエniuの活動についてご興味のある方はぜひこちらからご確認ください!

ZINE .plan vol.01
ZINE .plan vol.03

こうした活動は2017年から始まる鳩山NTの"波に乗って"可能になりました。
俯瞰して私は「第三世代」に居たと見ます。発端の建築家・藤村さんから、今の流れの全てを醸成したといっても過言ではない、第二世代のアーティスト(生活芸術家)・菅沼さんコーディネーター・本家さんの上に成り立ちます。

鳩山ニュータウンの時系列の連関


自分がまちづくりの一端を担っているとは思いません。
やりたいことをやってみる」という実践が何に繋がるのか、それが目的でした。
自分の中で完結にしない、残りの1割を誰かに明け渡す・新陳代謝する余白のような「スタンス」、そうした人間としての前提を鳩山で培った気がします。

共有(コモン)や公共(パブリック)を考える上の前提・スタンス

「シェア」や「コモン」といったよく聞く概念を前に、こうしたスタンスを前提に周辺に繋がっていくのだ、ということを多分に学びました。
(まだまだ磨きが必要ですが)
ざっくりですが、これが僕の「Learning from Hatoyama」でした。

終わり


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