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10.『君に贈る火星の』【ショートショートnote杯】参加作①


 ある日、ここ火星基地に
一通のメールが届いた。
宛先は日本人スタッフの
ツトムにだった。

メールの内容は以下の通り。
「明日日曜に行われる近所の
側溝ドブ掃除の出欠のしらせ」

半年前に火星に飛び立った
ツトムは大慌て。

そしてツトムは火星基地の上司に
地球への帰還願いを申請した。
が、当然却下された。

近所の寄り合いはムシできない!

ムラ社会なので家族に
不自由を与えたくない。

ツトムは食い下がった。

しかしセンター長の答えはNoだった。
「奥さんが何とかできんのか?
ところでドブってなんだい?」

「君のプライベートで
地球への旅費は出せない。
ところでヨリアイってなんだい?」

「流星群飛来中だ。航行は難しい。
ところで君は大バカなのか?」

しかしツトムは
単独でシャトルに乗り込み
地球を目指した。

目指すは
ドブ掃除現場だ。

日曜日。
現場は騒然となる。
警察車両、報道関係、消防が列を切らさない。

なんと、近所の小学校校庭に
スペースシャトルが突き刺さっていたのだった。

410 字♥

#ショートショートnote杯






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