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6.『数学ギョウザ』【ショートショートnote杯】参加作④

「お父ちゃん、こんなにたべられへんわー」

子供がとうとう泣き出した。

朝ごはんにお弁当
夕飯におやつまでもが

ギョウザ三昧だったからだ。

泣き出す子供に
カワマタはアタマを抱えた。

ある日を境に
宇都宮市から
ギョウザがどんどん送られて
くるようになった。

最初は
一通のメールだった。


X  =(  )🥟

これだけが書かれてあり
酒に酔っていたカワマタは
冗談まじりで天文学的数字を入力した。

実はメールの送り主
ギョウザのメッカ宇都宮市と
数学教科書の出版社「計文堂」の
タイアップだったのだ。

「好きな数字を入力してね。
抽選で一名様においしいギョウザを
たらふくあげる。」

酔っていたカワマタは
この文言を見落とす。

そして

X =(10億)🥟

と入力。

不運にも
当選してしまったのだ。

近所に配り
親戚に送り
それでもなくならぬギョウザ。
どんどん配達されてくるギョウザ。

10億個のギョウザを
受け取り続けたカワマタ家は
とうとうギョウザ屋を開業し
原価ゼロで大儲けしたそうな。

#ショートショートnote杯

◇◇◇◇◇◇410字◇◇◇◇◇◇◇◇

↑ ヒスイさん、怖い・・・
 カタカタと音を立てんといて~

まぁ、美女ならいいか!

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