見出し画像

相談のほとんどが叫びに近いもの。


ご覧いただきありがとうございます。大阪の吹田市でフリースクールと放課後学習スペースを運営しております、NPO法人トイロです。

11月になりまして、トイロも開校して半年目を迎えます。

あっというまです。

6月から10月で98件の相談がありました。

いったいどのような内容が多かったのかなどを今回は書いていきたいと思います。

最後までお付き合いください。

件数は重複しています。



相談内容について。


①外に出ない。誰とも関わらない。(83件)
②不登校の対応について。(69件)
③集団では活動できない。(発達障害などの相談)(63件)
④月謝制だと通えない。(36件)
⑤今通っている所からトイロへ移りたい。(18件)
⑥学習面だけ見て欲しい。(4件)

主にこのような内容でした。

週に1回なら通えるかもといった理由で、トイロに相談に来られる方が多いのですが、98件中体験を受けられたのは23人で、トイロに通ったのは17人です。

力及ばずです。



体験を受けた子ども達について。


体験を受けた理由。

①行けるときだけ行けるから。(20件)
②ボードゲームが楽しそう。(12件)
③人数が少ないから。(11件)
④近いから(5件)
⑤演劇をしたい。(2件)

子どもの需要としては、通えるときに通いたいが圧倒的です。

特に小学生。



親の希望。


①家以外の関りを持ってほしい。(98件)
②同世代の子どもとの関わりを持ってほしい。(89件)
③色々な経験をして欲しい。(45件)
④あまりお金を使いたくない。(42件)
⑤自力通学で通える所がいい。(37件)
⑥通える時だけ通いたい。(32件)
⑦仕事をしたい。(12件)

全員が家以外の関わりをもって欲しいというものでした。

学校にいけなくなることの一番の影響だと思います。

教育って教科だけじゃないんですよってことです。

教育機会の確保。

この意味をもっと議論していかないといけないんですよ。



辛い気持ちはそれぞれ。


子どもが不登校になると、家庭はめちゃめちゃになることがあるんです。

私はそれを経験したのでその辛さがものすごくわかるんです。

当事者はそれが自分のせいだと、起きてる間中責めるんです。

10代でそれが毎日続く地獄。

青春時代をそれに消費するって辛すぎました。

親も然りです。

子どもと楽しい日々を過ごせる期間に、不安と悩みと自責に押し潰される日々。

親としてこれをなんとかしたい、どうしたらいいかわからない。

どうか助けてください。

こんな叫びに近い相談ばかりです。

この人たちを救わずして何が不登校支援なのか。

これを自問自答し続けています。



学校現場に居たから言えること。



学校に行きづらい子ども達を救うためには、まず不登校調査の質を変えないといけません。

生徒指導主事を何年もやっていた経験上、それは間違いないです。

不登校の理由しか言及していません。

障がいによる生きづらさなのか、家庭環境によるものか、など本質に触れることはほとんどありませんでした。

だから、その子にあった対応ができません。

今でこそ、「不登校対策委員会」みたいなのが設置されていますが、形だけです。

毎回現状報告をして終わりです。

これでは、子どもも保護者も救われません。

支援計画がないので、家庭訪問、電話、課題の受け渡し、別室登校が現場での対応のほとんどです…

次に、古い体質に重きを置かない教育の提供です。

軍隊のような集団育成、度が過ぎた規範意識の醸成、みんなで協力することへの過剰な美意識、成果至上主義の運営。

未だにあります。

その結果、出る杭は打たれる環境、頭ごなしの指導、根性論が根付いたままになっています。

個性の尊重などはかけらもない教育があるのが現状です。

そして、教員の多忙さの改善です。

教師をしていて個々の子ども達とじっくり向き合える時間というのは、月にどれくらいあるでしょうか。

校務の作業、授業の準備、行事の準備、会議、打ち合わせ…

どれだけ子どもたち以外に時間を使っているか。

その結果、後回しになる子ども達が出てきます。

それが、学校に行けない子ども達という場合が多いです。

丁寧にサポートしていかなければいけない子ども達なのにです。

これらを改善しない限りは、根本の解決にはなりません。

教師の仕事に線引きをすることを早くやっていかなければならないんじゃないでしょうか。

清掃の委託、校務分掌と委員会の再構成、行事の見直しだけでもかなりの時間確保になります。

ほんとに、教師に余裕を持たせなければあきませんよ。

これ、10年以上前より仕事増えてるし、深刻ですよ。



まとめ。


学校も民間も変わっていかなければいけません。

今の子ども達の需要にあってないです。

教育はパラダイムシフトがもう起こっているので、どれだけこれから変わっていけるかだと思います。

特に、特別支援教育の実施をいかにできるかだと思います。

不登校の対応を受けているのは氷山の一角です。

その現状をどうしていくか、具体策を発信できることが求められています。

精進していきたいと思います。


🍀お知らせ🍀

登壇させていただくことになりましたので、お時間ある方はぜひ!

不登校当事者、元教師、居場所運営者としての視点でお話させていただきます!

不登校との向き合い方って?

教師として関わってきた保護者、トイロで関わってきた保護者の方々を見てきたからこそ伝えられることがあるんです。

画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?