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東京都排出量取引制度についてのつぶやき

ご存知ない方が圧倒的だと思いますが、法的拘束力を有した排出量取引制度が国内に存在します。それが、東京都と埼玉県です。

東京都環境局

両制度は連携しており、クレジットの相互利用ができ、一度の試験で両制度の検証人資格を取得することができます。

私は、初年度に検証主任者講習会をうけ、修了試験を受験、めでたく資格取得しました。と、簡単に書きますが、大変でした。

クレジットには、種類があります。

東京都環境局

で、それぞれについて、資格が設定されているのです。
まぁ、ISOも9001と14001は別の資格なので、不思議ではありませんが、敢えて言及するのは、「めちゃくちゃ試験がむずかしい」からなんです。

翌年から検証が始まるという年、大量の仕事が見込めるということで、名だたる審査機関に登録している現役の審査員が講習会に集まりました。試験も、一見さほど難しくないように思えましたが…..

分からないのです。選択肢毎の「違い」が。
「考え方による」みたいな選択肢ばかり。
どれが合っててもおかしくないし、逆も真なり。

結果、相当数の受験者が不合格となりました。
一流の、大のベテランの現役の審査員ばかりですよ。

当時は、そりゃぁもう、ブーイングの雨あられ。
火に油を注いだのは、点数も、正解も明らかにされなかったことです。
つまり、何が原因で落ちたのかが分からない。復習のしようがありません。

極めて非対称な構造。落とすための試験としか、いいようがありません。
幸い1回もしくは2回で合格したからいいようなものの、それを専業としている人にとっては悪夢。何度受けても通らない人もいました。

苦労して取得した資格も結局使わずじまいですが、現在でも、あまり状況は変わっていないと聞いています。合格率10%?

確かに、素晴らしい制度だと思います。

確か、国は「排出量取引の国内統合市場の試行的実施」という実証試験でお茶を濁していた頃、「国には任せられない」と都が先陣を切って開始したものと記憶しています。

排出量取引制度を有する、国・地域が参加する、ICAPにもいち早く参加。
都の制度によって、確実に排出量削減は進んでいると評価されています。

このように、世界的にも認識された取引市場が国内に存在する日本。
カーボン・プライシングの議論の何回目かの波が来ていますが、10年以上にわたる都の知見を活かし、EU-ETS、CN-ETSを「質」において凌駕する、市場を実現させてもらいたいです。

目指せ、世界のデファクトスタンダード(?)

(注)あくまでも、個人的な感想です。この点ご了承下さい。


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