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第三者検証〜はじめの一歩(1)

情報開示の道も一歩から。
気候変動で言うと、その一歩は算定でしょう。

ということで、これまで算定方法については、スコープ1・2からスコープ3、カテゴリ別にもご案内してきたところ。

また、実務をやり始めたからこそ気づく、更なるクエスチョンも、出題編と解答編に分けて、説明も行ったりしました。

算定を終えれば、いよいよ「公開」「開示」となる訳ですが、ここで「算定」の目的を考えてみましょう。

繰り返しお伝えしているのは、算定はまさに「はじめの一歩」であり、算定で「見える化」することで排出量の多いセクター、ホットスポットを特定、削減計画を立てて、2050年Net-Zeroを目指して実行していくのが目的。

これが主目的ではあるものの、算定している主体が企業であれば、当然ながら収益を上げることも重要。事業が継続して初めて、持続可能な地球環境の実現に寄与できる訳です。

であれば、「金の出し手」である機関投資家を始めとするステークホルダーに選ばれなければなりません。そのためには、CDPやSBTiのようなイニシアチブ、MSCIやFTSE、Dow Jonesなどの主要なESGインデックスなどの評価にも留意する必要があるでしょう。

なので、それらの評価を上げるためにも、算定結果についてのお墨付き、「第三者検証」を得ておくことも、算定の副次的な目的になり得ますね。

その「検証業務」については、これまで、「検証の実際」として6回に亘って説明したことがあります。

これから約1年が経過しました。

算定周り、開示周りの環境が劇的に変化する中、検証業務及び算定支援の実務をこなしてきましたが、このわずか1年で受審企業の様相もかなり変化してきたと実感しています。

ひと言で言うと「検証デビュー」数の増加。
「算定初めてなんです」という企業も数多いらっしゃいます。

すると、「当たり前」が通用しなくなってきます。
これまでは、いくらか知見のある担当者とのやり取りがメインでしたので、ある程度共通言語で打合せができました。検証準備に関しても同様。
現地検証で「ビックリ」ということもあまり経験がありませんでした。

ところが、「ビックリ」や「想定外」が続くんですねぇ。
「説明不足ですみません」とこちらの非を詫びることもしばし。

ということで、改めて「検証の実務」の説明をしていこうと考えました。
今回は、特に躓きやすい点、是正措置要求(CAR:Corrective Action Requested)や明確化要求事項(CL:Clarification Requested)なりやすい不具合にフォーカスしようと思います。

個別の規格・基準の深い内容には立ち入らず、あくまでも、検証を「そつなくこなす」レベルまで引き上げるお手伝いができればと思っています。
ご期待ください。


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