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改正省エネ法・温対法の小径(1)

22年5月、改正省エネ法及び改正温対法が改正されました。
これについては、 noteでも何度かご案内してきました。

施行日は23年の4月1日です。
担当部署の皆さん、準備の方はいかがでしょうか。

施行日が今年ですので、原油換算のエネルギー使用量及びCO2換算温室効果ガス排出量の報告は、令和5年度報告となる24年7月報告分から対象ですが、中長期計画書などは今年23年7月提出分から対応する必要があります。

第4回 工場等判断基準WG資料より

また、報告は来年度でも、今年度から対象となるデータは収集しておく必要がありますので、お気を付け下さい。

現在詳細は取りまとめ中で、省エネ小委での検討を経て公表されます。
こちらについては、公表され次第、ご案内したいと思います。


そこで、noteでは、改正にいたるバックグラウンドや、検討の変遷、内容について、WGや小委での検討資料を参照しながら、個人的な感想も含めて、複数回に分けてお届けしようと思います。

まず、覚えておくべきは、「エネルギーの定義の見直し」です。

第1回 工場等判断基準WG資料より

これまでは、「エネルギー」=「化石エネルギー」でした。
「太陽光や風力だってエネルギーだよね」確かにそうです。
不思議かもしれませんが、法律上ではエネルギーではありませんでした。

第1回 工場等判断基準WG資料より

そもそも、省エネ法は1973年と1979年の二度にわたり、日本を見舞ったオイルショックを受けて制定された法律です。

化石資源に乏しく、国内で消費されるエネルギーの多くを海外からの石油の供給に頼っていた日本の経済が、大混乱に陥ったことに鑑み、「エネルギーを効率的に利用していこう」という目的で生まれたんですね。

なので、正式名称は、当初は「エネルギーの使用の合理化に関する法律」となっていました。しかしながら、2011年の震災では需給が逼迫、電力の使用量である「kWh」を抑えるという「合理化」に加え、ピーク電力「kW」も抑えることが急務となりました。

第36回 省エネルギー小委資料より

ということで、「電力需要の平準化」が2013年の改正で盛りこまれたことから、目的が「合理化」だけで無くなってしまい「エネルギーの使用の合理化に関する法律」となったという経緯があります。

さらに今回は、「化石エネルギー」だけで無く、「非化石エネルギー」も「エネルギー」となってしまいました。加えて、化石燃料から非化石エネルギーへの転換を促すことも、目的となりました。

ですので、さらに名称が、「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」と変更されました。

いやぁ、名称を見ているだけで、変遷が分かって面白いですね。

では、非化石エネルギーとは何ぞや、何が変わるのか、については、次回ご案内しますね。お楽しみに。

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