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算定と検証の実際

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躓きやすい算定ルールや検証の現場の話を紹介します。
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2023年3月の記事一覧

GHG排出量の検証について

2月10日に「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定されたことを受け、嫌がおうにも盛り上がりを見せています。今国会に提出される法案は、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の促進に関する法律案(GX推進法)という、とても覚えられない名称ですね。 排出量算定支援に携わる人間としては、その中でも、GX-ETSが一番関心が高いところでしょう。算定はもちろんのこと、算定結果について要求される「第三者検証」についても気になるのではないでしょうか まずは、さらっとおさらいしていきましょう。

「生産者価格ベース」と「購入者価格ベース」

排出量の算定に当たって、まず最初にお世話になる、こちらのサイト。 ここにある「排出原単位データベース」を利用される方が多いと思います。 このDBにおいて、産連表の金額ベースの排出原単位には「生産者価格ベース」と「購入者価格ベース」の2種類があります。 「これってどんな違いがあるの?」って思う人はかなりの数いらっしゃるので、Q&Aにおいてちゃんとフォローされています。 なるほど、算定事業者が工場など、実際に使用する購入者であれば「購買者価格ベース」、工場などに納品する販売

スコープ2に続いてスコープ1でも証書活用

これまで、非化石証書の扱いについては、何度かご案内してきました。 簡単に言うと、購入した証書の分を自社の排出量から差し引くものですが、他者から供給された電気の使用に伴う排出量を上限とするものです。 この時に想定していたのは、「非化石燃料」により発電された電力でした。 なので、間接排出量、スコープ2でした。 今回ご案内するのは、「非化石燃料」の燃焼による熱の話です。 その熱の使用による環境価値を証書化し、非化石電力証書と同じように流通させましょうという話です。 合成メタ