「生産者価格ベース」と「購入者価格ベース」
排出量の算定に当たって、まず最初にお世話になる、こちらのサイト。
ここにある「排出原単位データベース」を利用される方が多いと思います。
このDBにおいて、産連表の金額ベースの排出原単位には「生産者価格ベース」と「購入者価格ベース」の2種類があります。
「これってどんな違いがあるの?」って思う人はかなりの数いらっしゃるので、Q&Aにおいてちゃんとフォローされています。
なるほど、算定事業者が工場など、実際に使用する購入者であれば「購買者価格ベース」、工場などに納品する販売者であれば「生産者価格ベース」を使用して算定を行う。非常に分かりやすい。
ところが、参考として、このような記載もあります。
輸送に伴う排出量はスコープ3カテゴリー4で算定することになっているので、その分はご丁寧に差し引かれているのであれば、カテゴリー1「購入した製品・サービス」としては、生産者価格ベースの原単位で算定し、別途算定した、カテゴリー4の排出量と合計すべきではないか。
このように思う方が出てきても、おかしくはないかと思ったりします。
そうすると、ハタと気づく。
「生産者価格」つまり、卸のプライスは分からない。
「???」
やっぱり、算定はできないの?
いえいえ、そうではありません。
「購入者価格」つまり、購入金額で計算できるようにした原単位が「購入者価格ベース原単位」なのです。
ちょっと混乱してきましたか?
参考には「輸送に伴う排出量を除いた原単位に変更して」とあります。
輸送コスト、つまり送料は除かれていないので、「購入金額」を活動量として使用して算定する分には、全く問題が無いのです。
販売した側、購入した側が、同じ製品について算定する場合、把握しているのは、それぞれ「生産者価格」と「購入者価格」
それぞれで排出量を割り算して原単位を算出されているので、それぞれのベースの原単位で計算してあげれば、ちゃんと「100t」と算定できるのです。
ここで、さらにクエスチョンがあるかもしれません。
購入金額に送料も含まれていて、区別ができないときはどうするの?
大丈夫です。
産連表と同じシートの最上部にある説明に、このような記載があります。
流通コストを含んだ値を用いて、原単位を算出しているということです。
ちゃんと配慮された原単位が「購入者価格ベースの原単位」なのです。
ですので、算定事業者が購入者であれば、迷うことなく、「購入者価格ベースの原単位」を用いて算定に当たって下さい。
なお、金額ベースでカテゴリー4を算定する場合には、同じ産連表にある原単位、列コード「711101~717101」の排出原単位を使用しましょう。「鉄道旅客輸送」や「バス」「ハイヤー・タクシー」などですね。
いかがでしょうか。
算定は、知れば知るほど〜♬というのが、私の実感。
だからこそ、毎年同じ作業を繰り返すことによって、どんどん知見が上がってくるのです。
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