マガジンのカバー画像

気候変動も生物多様性も〜持続可能な世界を目指そう

129
双子の条約と言われる、「気候変動枠組条約」と「生物多様性条約」だけど、後者はどうしても分かりにくいですね。でも、持続可能な世界の実現には、避けては通れません。どちらも一緒に学んで…
運営しているクリエイター

2023年12月の記事一覧

ISO14068−1を深掘りしてみた(3)

2023年11月30日、「ISO14068−1 Carbon neutrality」がリリースされたことを受けて、皆さんが気になるポイントについて解説しています。 2回に亘ってご案内したところで、ポイントは、「ネットゼロ達成のためには、吸収除去系クレジットしか使用できない」ということでした。 ここで、「カーボンニュートラリティ」ではなく「ネットゼロ」と言っているのが曲者で、その心は、「カーボンニュートラリティ達成のためには吸収除去系クレジット以外も使用できる」ということな

ISO14068−1を深掘りしてみた(2)

COP28が始まってすぐの11月30日、GHG算定担当者お待ちかねの、「ISO14068−1 Carbon neutrality」がリリースされました。 それを受けて、第一報をお届け。 引き続き、内容について読み込んでいます。 1回目では、「3.1 Terms related to carbon neutrality」の「3.1.1 carbon neutral」に注目、詳しく読んでいたところ、3.1.1 本文のみだと、吸収除去系(removal)だけでなく削減回避系(

ブルーカーボンのおさらい(1)

ブルーカーボンについては何度もご案内してきましたが、Jブルークレジットの試行事業が始まり、企業の取り組みが始まり、環境省・国交省(港湾局)・農水省(水産庁)及び自治体が推進し、それに伴いメディアでの露出も高まり、改めて問い合わせも多く受けるようになりました。 Jブルークレジットのエバンジェリスト(?!)として全国行脚している私としては嬉しい限りですが、だからこそ、これまた繰り返しご案内している「カーボン・クレジット」と同様、ウォッシュ批判されることのない「高品質なブルーカー

進みつつある、統合化の波?!

ISO14064-1 Carbon neutrality がリリースされたことはお伝えしました。 まだ「ISO」なので英語版しかありませんが、販売されています。 購入に当たっては、日本規格協会の「Webdesk」からどうぞ。 そのISOですが、リリース発表直後の12/3に、IFRS財団と、サスティナビリティ関連情報開示について協業する旨を発表しています。 昨年COP27では、14068-1の前身とも言えるIWA42をリリースして注目を集めましたが、その他の環境NGOや

F1を通じて未来が見える?

22年、F1を開催しているFormula 1は、30年Net-Zeroを宣言しています。 その大本営がリリースしている2019年のGHG排出量を見ていて、F1ファンとして、理解はしていたものの、Net-Zeroは遙かに遠いなぁと実感しました。 マシンやタイヤ、パーツ、パドック設営資材などなど、開催に関わるロジスティクスによる排出量が、45%を占めているという現実。そして、人の移動及び宿泊に関わる排出量が27.7%、オフィスやファクトリーなどのファシリティにおける排出量が1

Scope 3 Flexibility Claim(ベータ版)

23年6月に、クレジットを使う側のルールである、Claim Code of Practice(CoP)のVer.1がVCMIからリリースされたことは、既にご案内済みでした。 これは暫定版という扱いで、11月に予定されている最終版が待たれていたところ、11月28日、COP28開幕前に滑り込みセーフ、リリースされました。 公開されたフレームワークを用いて、企業は、「Silver」「Gold」「Platinum」のクレームバッジを表示できることになります。 今回の目玉は、Co