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国内外の法規をフォローしよう〜省エネ法と温対法は外せない

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毎年毎年改正される、数々の法規、法令。特に気になるのが、この2つ。些細なものから、収集するデータから変わってしまう大幅なものまで、様々ですね。さらに海外も...となれば手に負えま…
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#ガイダンス

EFRAGのアウトリーチ半端ない

EFRAG(European Financial Reporting Advisory Group)ご存知ですか? 欧州委員会の支援を受けて設立された民間組織で、欧州連合における財務報告基準の策定と承認に重要な役割を担っています。 EFRAGは欧州委員会の依頼を受けて、専門的な知見に基づき様々な法令のドラフトを作成します。欧州委員会はこれらのドラフトを参考にしつつ、最終的な法令化を行います。 CSRDにおける開示ルールである「ESRS」も、依頼を受けて作成。 欧州委員会

CSRD発効秒読み段階〜浸透図る準備着々

来年24年1月1日、CSRDが発効します。 これについては、昨年22年11月に決定しており、ご案内はしていたところ。 その開示ルールであるESRSについては、欧州委員会の要請を受けたEFRAGがドラフトを作成、速やかに、教育用の動画も公開しました。 この動画は、ショートバージョンとロングバージョンの2種類を用意するなど、EFRAGの並々ならぬ意欲を感じるものでした。 ところが、欧州委員会の審議の結果出てきた最終案は、ドラフトから大幅な修正を受けたものでした。修正点は、次

VC IG、MA IGの最終案公開

今年8月「Materiality Assessment Implementation Guidance:MA IG」と「Value Chain Implementation Guidance(VC IG)」のドラフトが、EFRAGからSustainability Reporting Technical Expert Group(SR TEG)とSustainability Reporting Board(EFRAG SRB)に提案されていました。 このときは、5回に亘ってn

ESRS導入ガイダンスのドラフト公開(4)

EFRAGが作成中の、ESRS導入ガイダンス。 8/23の会合でドラフトが公開されたのを受け、紹介しております。 「Value Chain Implementation Guidance(VC IG)」と「Materiality Assessment Implementation Guidance(MA IG)」の2種類があり、前回からMA IGの方をご案内しています。 3回目では、MAにおける重要な概念、「Impact materiality」と「Financial m

ESRS導入ガイダンスのドラフト公開(2)

7月末に公開された、ESRSの最終版。これから、EU理事会及び欧州議会での審議が始まりますが、現在のNFRDで既に対象となっている大企業は、2024年会計年度から適用が開始されますので、ルールを読み込んで、開示の準備を進めておかなければなりません。 また、2022年11月に公開されたEFRAGのドラフト版からは、重要な修正が入ったこともあり、欧州委員会も速やかな導入を図るべく、EFRAGがガイダンスの作成に入ったことを、前回ご案内しました。 今回は、「Value Chai

ESRS導入ガイダンスのドラフト公開(1)

7月末、欧州委員会がESRS(European Sustainability Reporting Standards:欧州サステナビリティ報告基準)の最終版を公開したことは、ご承知でしょう。 これについては、それに先駆けて、欧州委員会からドラフトを作成したEFRAG(European Financial Reporting Advisory Group:欧州財務報告諮問グループ)に対し、EFRAG案からの修正内容を説明した際、ご案内済みです。 ESRSはCSRD(Corp

GHGプロトコルの矜恃

算定に携わっている方が一番お世話になっているガイドラインと言えば、GHGプロトコルでしょう。(直接的にはお世話になっていなくても) スコープ3の算定では、法律の建て付けで考えると 法律:コーポレート基準 施行令:スコープ3基準 施行規則:テクニカルガイダンス のような感じ。実務ではガイダンスを参照していくことになると思います。 この他に、特定のセクター向けのガイダンスも整備しています。 GHGプロトコルは、組織、企業、セクター横断的に利用可能とするために、極めて一般