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目指せネットゼロ、世界は既に動いてる

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2050年カーボンニュートラルを政府が打ち出す前から、すでに、世界は動いていました。「やるか、やらないか」ではありません。「いつやるか」です。そのために必要な情報を、提供していき…
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2024年8月の記事一覧

カーボン・クレジットを活用していこう

カーボン・クレジットに関しての質問を非常に多く受けるようになったこの頃、まずご案内しているのが、経産省の「カーボンニュートラルの実現に向けたカーボン・クレジットの適切な活用のための環境整備に関する検討会」がとりまとめた「カーボン・クレジット・レポート」です。 21年の12月から22年3月までの3回の検討会でドラフトを公開、5月までのパブコメを経た後、第4回検討会でファイナライズ、6月に公開されました。 社内での説明には、第4回検討会の資料に含まれている概要が使いやすいです

SBTi Scope3 discussion paper の衝撃?!(3)

SBTiが7月30日に公開した4文書のうちの「Scope 3 discussion paper」について、2回に亘ってご紹介してきました。 このディスカッションペーパーのポイントは次の2つであると思っていて、1回目で、「オフセット」についての考え方をご案内。2回目からは、「アウトカムベース指標」について考えています。 ディスカッションペーパーは、ネット・ゼロ達成へ向けて、次の5ステップでのフレームワークを提案しているのですが、「アウトカムベース指標」は、主に、ステップ2と

SBTi Scope3 discussion paper の衝撃?!(2)

サステナ界隈で話題となった、7月30日のSBTiのプレスリリース。 公開されていた4つの文書のうちの「Scope 3 discussion paper」について、前回から内容を簡単にご紹介しています。内容盛り沢山ではありますが、詳細は追々ご案内するとして、次の2ポイントに絞って説明をしております。 前回は「1.クレジット購入によるオフセット」まででしたので、今回は、「2.アウトカムベース指標(Metrics)」の話をしたいと思います。 ディスカッションペーパーは、ネット

スコープ4の鼓動

ヴェオリアが、SBTiのNet-zeroの認定を受け、Moody'sのNet Zero Assessment(NZAs)を取得したそうです。 NZAは、企業や金融機関が気候変動に対応するための排出削減目標である「ネットゼロ」の達成状況を評価するためのフレームワークで、ネットゼロ戦略の実現可能性や、目標達成に向けた進捗を客観的に評価するもの。 NZ-1からNZ-5までの5段階の評価レベルがあり、ヴェオリアは上から2つ目の「NZ-2(Advanced)」を取得しています。

ICVCMの目指す「Additional」とは?(2)

前回から、特定の再エネクレジットがCCPラベル認証対象外となった理由である「Additionality」について考えています。 前回はこちら。 対象外とされたのは、再エネクレジットが8種類と、SF6排出削減クレジットが1種類。 根拠資料としているのが、ICVCMが公開した「カテゴリー評価に関する見 再生可能エネルギー」という文書なので、再エネクレジットについてのみの説明になります。 この文書で議論しているのは、「再生可能エネルギープロジェクト」が「クレジットによる支援

エアラインは飛び立てるか?

つい先日、「理想論を議論する段階は過ぎ去り、具体的な削減活動を起こすフェーズに来ている」というnoteを書きました。 そんな折、タイムリー(?)に、ニュージーランド航空が2030年中間目標を撤回するというメディア報道がありました。 ニュージーランドヘラルドの記事には、併せてSBTiへ提出しているNear-term目標も撤回するという記載があったので確認しましたが、まだステータスは「TARGET SET」となっていました。 このように、Near-termで認定されている削

Washingを恐れてHushing?

みなさん、「Green Washing」はよくご存知ですよね。 noteでは、昨年早々に記事にしておりました。 このような背景の下に、既存のボラクレは、登録済みのプロジェクトを精査したり、方法論をアップデートしたりと、「Legacy」に対する対応に追われていました。 また、ウォッシュ批判を受けて「高品質なクレジット」の要求事項が上がっていても、なお、「クレジットを創りたい」という要望が多く寄せられたことを踏まえて、このようなnoteも書きました。 クレジットの収益が目的

SBTi Scope3 discussion paper の衝撃?!(1)

7月30日、SBTiが、Corporate Net-Zero Standard(CNZS)の改訂プロセスの初期段階として、4つの技術的成果を発表しましたが、このニュースで、サステナ界隈が少しザワザワしているように思います。 リサーチした訳ではありませんが、ポジティブな意見には、強い肯定的な感情を示すものが多かった一方で、ネガティブな意見は、比較的穏やかなトーンで表現されている傾向かなと。 地域としては、欧米企業やNGOからの発言が目立ち、アジア地域からの発言は比較的少なか

SAFプレミアム共有プラットフォーム?(2)

成田空港をプラットフォームに、7社が合同で、SAFの環境価値を証書化、取引することを通じて航空輸送の脱炭素化を図る実証試験に着手することを発表したことを受けて、内容を簡単に紹介しております。 前回は、実証試験の概要をお届けしましたが、今回は、スキームを確認した上で、個人的な見解も交えてご案内しようと思います。 この実証試験は、プレスリリースでは次のようなポンチ絵で、取引スキームを紹介しています。 プラットフォームの左側に「航空会社」と「燃料供給事業者」が入れ替わった2つ

Additionalityに基づくICVCMの判断

ICVCMが、既存の再生可能エネルギー方法論に基づいて発行されたクレジットに対して、CCPラベルを付与しないことを発表しました。 CCPラベルとは、「高品質なクレジット」の証左とも言えるラベルで、次の2つのレベルで認証が行われます。 簡単に言うと、CCP-Eligibleは、クレジットプログラム(VCS、GS、ARTのようなボラクレスキーム)を認証するものであり、CCP-Approvedは、方法論(森林吸収やバイオ炭などのプロジェクト)を認証するものです。 詳細について

SAFプレミアム共有プラットフォーム?(1)

2023年8月2日、成田空港をプラットフォームに、7社が合同で、SAFの環境価値を証書化、取引することを通じて航空輸送の脱炭素化を図る実証試験に着手することを発表しました。 今回の実証試験における各社の役割、このようになっています。 証書というと、「非化石証書」あるいは「グリーン電力/熱証書」が馴染み深いかと思いますが、基本的に同様で、CO₂を排出しないというScope3環境価値(プレスリリースでの表現)を分離させたものです。共通のプラットフォームを通じて売買するというプ

クレジットを安心して購入したい

これまで、何度か、クレジットが一般の商品になってきたという話を、noteでご案内してきました。 ここで、クレジットの普及へ向けて、開発・導入されているサービスをまとめておこうと思います。具体的には、次の5つかなと。 それぞれ説明していきますね。 「1.レーティング」はクレジットの「格付会社」。 例えば、「BeZero Carbon」が挙げられます。 株式と同じで、詳細な情報を入手するには契約が必要ですが、後ほど説明するACXとコラボしていているので、ACXが毎週リリー

GHGPのLSRガイダンス 25Q1にV1.0リリース予定

GHGプロトコルが開発中の、Land Sector and Removals Guidance。 23年Q2の予定が24年Q2へ一年延期されたあと、さらに遅れることが判明した際、ご案内していました。 目標設定のデファクトスタンダードである、SBTiのFLAGセクターガイドラインは22年9月28日にリリースされていながら、肝心の算定方法のデファクトスタンダードであるLSRGが当初予定よりも遅れていたことから、それに併せて、「アップデート」される事態にもなっていました。 そ