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指輪はつけない|ALL YOURS 木村まさし&めぐみ


「指輪」

それは、あらゆる “ふたり” にとって
特別な意味をもつもの。

どんな指輪が良いの? そもそも指輪って必要?
特別とされているものだからこそ、
慎重に考えたい。

あの “ふたり” は、
どんな指輪をつけているのだろう?

ゼクシィでも、ハッシュタグでも見つけられない
もっともリアルな、ふたりの指輪のはなし。

大切なパートナーとの
指輪を考える時間のために、
ふたり指輪ブランド『CONNECT』
がお届けします。

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今回訪れた “ふたり” は、
ALL YOURS 木村まさしさんとそのパートナー、めぐみさん。

“インターネット時代のワークウェア”を掲げるファッションブランド・ALL YOURSの創業者の1人で、仕掛け人のまさしさん。彼の仕掛けた日本一周見聞録の旅を共にしためぐみさん。いつも冗談を言い合い笑い合う仲睦まじいふたりは、指輪をどう捉えているのだろう。まだ生まれて6ヶ月の休ちゃんも交えて聞きました。

ちなみにおふたり、結婚指輪は買っていないそうです。

そのワケは? 買う予定はあるの?
最初の “ふたり” が指輪してないってそんなのあり?


「一般論に流されて欲しくもない指輪を買うの?」

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──(聞き手:杉原賢)おふたりは指輪を買われてないそうですけど、結婚指輪の話はしましたか?

木村まさし(以下、昌史):した。「買わないけどいい?」って。

──そもそも買う選択肢がなかったんですね。

木村めぐみ(以下、めぐみ):ほんと最悪な話ができますよ。

──初回のゲストなんですけど(笑)

めぐみ:いやあ止めたほうがいいと思いますよ〜。

まさし:わたしなんて言ったんだっけ?

めぐみ:「みんなしてるからって指輪したいの?」「一般論に流されて欲しくもない指輪を買うの?」「どうしても欲しいならめぐのだけ買いな」って。

──ひどいですね!?

めぐみ:でも本当につけたくないんだなと思いました。

まさし:めぐ失くすしさ。

めぐみ:いやいやいや(笑) ほらひどいでしょ? 止めたほうがいいですよ?

まさし:初回からやばいな〜!

めぐみ:いや私らのせいだから!

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つけさせられていたApple Watch

まさし:ま、アクセサリーをあまりしたくなくて。身につけるものって「この人はこういう感じなんだ」と規定する要素でもあるから。薬指に指輪をしていたら結婚しているとか、高級時計をつけていると金持ちに見られるとか。それで自分のキャラクターを決められてしまうのが嫌になって。

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──確かに先入観を持ってしまいがちですね。

まさし:一番最後にしていたアクセサリーはApple Watch。手作りで機械式の精密な時計が良いものだと見なされる時計の価値観をApple Watchは壊したと思ったから「いいな」と思ってつけてたけど、そもそもApple Watchをつけるほど機能を使いこなせてなかったし、いつしかつけることが目的になってしまって、手放してしまった。

──『ALL YOURS magazine』に書いてありましたね。手放したらホッとしたと。

まさし:そう。最初は良いなと思ってたけど、いつの間にか着けなきゃいけないものになってたの。それで手放したら気持ちよかったんだよね。つけさせられていた感があったから。

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“指輪”はパートナーのことを思い出す“お守り”

──そうした理由で指輪をつけたくないということですが、おふたりはどの瞬間につながりを感じるのかなと。というのも、パートナーがいる方に向けたあるアンケートに「ふたりのつながりを感じる瞬間はなんですか?」という質問があって、この回答の上位にくるのが「結婚指輪」なんですよ。

まさし:めぐはすごくコミュニケーションが上手なので常時接続してる感じ。Wi-Fi。

──Wi-Fi(笑)

まさし:出張先にいても離れ離れの感じがない。

めぐみ:それはそうだね。

まさし:5G。

めぐみ:5Gて。まあ連絡を取らない日はないからね。

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──指輪にはお守りと近い役割があるのかなと思っています。お守りはデザインが優れているわけでもないのに、カバンにつけたり部屋に飾ったりしますが、あれは見るたびに自分を鼓舞するためだと思うんです。「志望校に受かるぞ」「お金持ちになるぞ」とか。これを結婚指輪を当てはめると、相手のことを思い出すためのものなんじゃないかと。常に見える“指”というめちゃくちゃ合理的な場所につけるものですし。

まさし:なるほどね。

──結婚指輪は相手のことを思い出すスイッチとしてある、というロジックですが、それが必要ないぐらいコミュニケーションしているから、おふたりには指輪が必要ないんだなと。そのことを、無意識的に感じているのかもしれませんね。

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「結婚するハードルも逆になかった」

──結婚もある意味でお互いの関係性の証明で、結婚指輪と似てるところがありますが、結婚に対してはどう思っているんですか?

まさし:どっちでも良かったんだよね。結婚するハードルも逆になかった。

めぐみ:子どもを授かるにあたっては結婚していたほうがいいか、みたいなね。

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──結婚もひとつのラベルでしかないと。

まさし:そう。

──あ、そういえば結婚指輪を買っていないわけですが、プロポーズはあったんですか?

めぐみ:されてないね。

まさし:......そうだっけ?

めぐみ:してない!してないよ!?

──すごい詰められてる(笑)

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指輪はない。でもお揃いのものはたくさんある

──逆にこだわって買ってるものはありますか?

まさし:味噌とか地元の有機野菜とか。食品ですね。それ以外だと基本的に捨てたくないから、むやみに買わないようにしてます。衝動買いはしない。

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まさし:お互い買うものはすごく選ぶよね。

──じゃあずっと使っているものは?

まさし:わたしはけっこうある。高3に買ったスウェット、『Anker』の充電器、『Patagonia』のフリース、『atelierBluebottle』の靴下とか。この『Danner』のブーツもそうだね。お揃いのものも結構あって、このジーンズもそう。『ALL YOURS』の服がたくさんあるし、自然にペアルックになる。というか、めぐもわたしの服を使ってるから、洗濯物がわたしの服ばかりになるんだよね。

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──木村さんはめぐみさんが自分の服を着てるの見て笑っちゃいません?

まさし:笑っちゃう。てか今日のTシャツもそうだし。取材なのになんでそんな適当なのって(笑)

──その笑っちゃう時の感情は、限りなく「嬉しい」に近い気がしていて。心を許している相手が自分のパーソナルスペースに入ってくると、嬉しかったりしますから。おふたりはこのパーソナルスペースへの踏み込みが常時で、しかも自然に行われているように感じます。だからおふたりには指輪や結婚によるつながりの確認が必要ないんだろうなと。

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装うことの豊かさ、理屈じゃない“気分が上がる”感覚

──今後も指輪はつけないんですかね?

まさし:それはわかんない。持っているものでキャラクターが規定されるのが嫌なだけだから。それはそれでそういうスタンスの人ってラベリングをされるけど、今はそっちのラベルが良いなってこと。ごめんね、ややこしくて(笑)

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──いえ、その感覚はわかります。同時に、それがわかるからこそ、装うことの豊かさに立ち返る瞬間もあります。

まさし:装うことで気分が上がるって面白いよね。理屈じゃないからあれは。だから今後、何かアクセサリーを着けたときに気分が上がるタイミングが来ると思う。昔はインディアンジュエリーが好きでよくつけてたし。

──いつか木村さんが指輪をつける時が来るのが楽しみです。

まさし:そのときはCONNECTを検討させてもらいます。......あ、これ記事広告じゃないですからね!

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あとがき

杉原です。初回に相応しい、本質的な「ふたりの指輪のはなし」を聞けました。
意図的に “指輪をつけない” ことを選んだまさしさんと、その想いに応えためぐみさん。

おふたりの、共有するものに囲まれた生活と、絶え間ないコミュニケーションがお守りとしての指輪の役割を代替していました。
だからこそ、指輪は必要なかった。

「どんな指輪をつけるのか?」を考える前に、
「なぜ指輪をつけるのか?」を考えることの大切さを学びました。


聞き手:杉原賢
文章:Yuuki Honda
企画:Wataru Kiruta Nakazawa
写真:Eichi Tano
project of https://connect.switchdeswitch.com/

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