ブランド力の判定で 見落としてはいけないこと
ブランド力判定あるある
ブランドの実力がなんぼのもんか、測定しようとする方法がいくつか提唱されています。コンサルティングファーム、シンクタンク、調査会社、広告代理店などから。事業会社においても、独自の手法を持っているところもあるでしょう。
どれがいいとかは一概に言えませんが、概していえるのは、データ全体を使うより、そのブランドのターゲットに絞り込んだ場合の方が、点数が高く出るということです。ターゲットに向けて活動をしているのですから、当然と言えば当然ですが。。
ここでブランドマネージャーは、ターゲットに絞ったものこそが我らの点数だ(ターゲット外のことはどうでもよい)と主張します。これはこれで潔いものです。その裏、あまりよくない点数をブランドの評価として使ってほしくないという素朴な気持ちもあることでしょう。
ターゲットにおけるブランド力だけでいいの?
ターゲット外(からの評価)のことはどうでもよいって、本当にそうなんでしょうか。例えば高級スポーツカーブランドF、高級服飾品ブランドC。それらを買いうる人(ターゲット)は、多くはないと思います。でもそれらが、スポーツカー or 服飾品のものであり、高級であることは、多くの人が知っていることでしょう。自分に縁遠いモノであっても、なんとなく知っていること(=世の中にそんな知識が根付いていること)もブランドの力のうちではないでしょうか。
もちろん、ブランド関係者がターゲットにおける実力を第一義に考えるのは間違ったことではありません。しかしながら、その実力を活かして隣接する市場に打って出ようなど考える場合、ターゲット外でどのくらいの力があるのか冷静に測る必要があります。
ブランド力の過信に注意
例えば20代若者に絶大な人気を誇るブランドが、30代以上も取り込みたいとします。でも実はそのブランド、30歳くらいで卒業するのが当然視されていて、いい大人が使うにはチープとみられ、早々に選択の対象外になる などの場合、現状のブランドの延長では非常に困難と思われます。では少々路線変更して、両方狙おうとした場合、既存顧客(20代)から、最近年寄くさくなった、なんて評価をもらい、ブランド自体壊れていくことも。。
ターゲットにおいて強いブランドとして地位を築くのは良いことです。同時に、ターゲット外でもなんぼのものかも意識しておくべきでしょう。それほどのものでなかったなら、王者のようなやり方は通用しません。
さっと割り切ってターゲット外には手を出さないというもの一つの考え方でしょう。あるいは、ターゲット外でもブランドの真価が認められるよう、手間暇をかけその上で仕掛けるというのも考え方でしょう。たぶん真のブランドはこうやっていくのだと思います。
しかしながら実際は、今勢いがあるんだから、周辺の市場にもどんどん出ていけ~!ってな掛け声にあおられ(逆らえず)、虻蜂取らずに終わってしまうことが多いのか・・?
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