今時の消費者調査

 本当に(消費者のことを)知りたい!といった動機で行われる消費者調査ってどのくらいあるんでしょうね?実際のところ、既にあらかた決まっている結論について、お偉方やら取引先をもっともらしく説得するための、後付けの理屈や材料集めってことが多いように思っています。

 「仮説」なるものを掲げ、その検証のための調査であると、企画書には書いてあります。でもその「仮説」とやら、採択されるものとして既に物事多々進んでおり、棄却されるという選択肢はないのです。仮に本当に仮説の検証なら、聴取すべきポイントは限られてくるはず。でも調査内容の打ち合わせになると、あれもこれもと沢山盛られるのが常です。その心は、これについて(誰かから)指摘されたときのために、念のため聞いておこう・入れておこう、なんですよね。

 かつては、「それは不純ではないか」と指摘し、「それはわかっているけど、時間がないんだ」と(後ろめたさを漂わせながらも)開き直る みたいなやり取りがあったのですが、いつのころからでしょうか。「調査ってそういうもん(=説明のための材料集め)じゃないの?」と、あっけらかんと宣う者も出てきて、もう時代は変わったのねと感じている次第です。

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