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読書記録「蜜蜂と遠雷」

大好き恩田陸。
読了感のスッキリさ、健全さ、誰にでも恥ずかしくなく勧められる一冊。

最近は予約本の受け取りがほぼ毎週あって、その帰りにたまたま返却カートで見かけたこの本。
つい最近まで予約数が多すぎて借りれなかったので後回しにしていたら、いつの間にか落ち着いていた模様。


恩田陸の物語はいつもキラキラとした情景が目に浮かぶ。そして、登場人物は、自身のできることをできる範囲で、決して心を壊すことなく、取り組む。
その姿勢がとても好き。


今回はピアノコンクールに挑む若者と、大人の物語。

若者はそれぞれの才能、実力に影響されつつお互いを認め合い、大人はそれに心を打たれたり、仕事へ真剣に向き合う。

若者はみんな天才なのだけれど、それぞれが生まれ持ったセンスだけでなく、努力を続けるというという才能もあるのだと、何万時間とピアノに向き合ってきたからこそ見える景色があるのだろうな、と感じた。

一度離れたけどピアノの世界へ戻ってきた栄伝亜夜、ピアノを諦めきれなかった高島明石、圧倒的天才の風間塵、そして密やかな恋心と共に演奏するマサル。みんなそれぞれ背負うものがあるのに、すっきりとしていて足を引っ張り合うことなく互いに高め合う。

私、私はどうだろう。
そういう経験、私はしたことがあるだろうか

彼らのように何年にもわたって没頭できてきたことってないかもしれない。
続けた先に見える景色、それを見てみたいと思わされた。

願わくば、これから先、ブログ、イラスト、ボランティア、子育てなどでその先の世界が体感できますように。


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